東南アジアのコワーキングブームに乗るべく、インドネシアのEV Hiveが2,000万ドルを調達

by Tech in Asia Tech in Asia on 2018.6.9

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Photo credit: EV Hive

コワーキング施設は広々とした余裕のある空間として設計されるが、その市場は段々と混み合ってきている。インドネシアでは EV Hive という運営会社が新たに2,000万米ドルを調達した。

このシリーズ A ラウンドは SoftBank Ventures Korea がリードし、H&CK Partners、Tigris Capital、STIC Investments、韓国のインターネットポータル Naver、そして日本の巨大メッセージング企業の投資部門 Line Ventures が新たに参加した。

この資金調達は東南アジアにおける同分野では最大規模である。先月、シンガポールを拠点とする JustCo は政府系ファンド GIC や不動産開発業者 Frasers Property と1億7,700万米ドルのパートナーシップを結び、地域における同社の存在感を増大させ、新たな市場に参入すると発表した。

EV Hive は21ヶ所ある現在の物件を2022年までに地域全体で100ヶ所にまで増やしたい考えだ。同社はすでにタイやベトナム、ミャンマーといった場所で機会を模索していると CEO の Carlson Lau 氏は言う。

インドネシアでの成長

EV Hive は ReWork のような現地の運営会社と競合することになる。ReWork は中国で急成長中の Ucommune(旧 UrWork)から300万米ドルを調達している

インドネシアにおけるその他のプレーヤーには FreewareKolega、そして Impact Hub とライセンス契約した Coworkinc といった企業がある。The Hub Singapore から名称を変更した Found も、間もなくジャカルタに進出する計画だ

SoftBank Ventures Korea の親会社である SoftBank Group が支援する WeWork は、ジャカルタの新たな2ヶ所を最近発表した。だが Lau 氏はアメリカのユニコーン企業がジャカルタに進出してくることに関してはあまり心配していない。彼らの参入は市場のポテンシャルを立証するものであると同氏は言う。

EV Hive は2名から10名の小さなチームに注力しているというのも WeWork のビジネスとのさらなる差別化になるだろう。

Lau 氏は次のように述べている。

彼らは企業顧客へ焦点を当てています。弊社のマーケットセグメントは、弊社が提供するサービスに価値を感じていただける、より小さなビジネスやスタートアップから成り立っています。

しかしながら、インドネシアには小規模の顧客をターゲットとするコワーキングプロバイターも多数存在する。

同社は現在、スペースを1ヶ月以上レンタルする約3,500人のメンバーと、1日だけ利用するおよそ5,000人(1ヶ月あたり)のユーザにサービスを提供している。1日利用のユーザの多くは契約を決める前のトライアル利用であり、そのため EV Hive はそういったユーザを長期のメンバーにするにはどうしたらいいか考える必要があるだろう。

他社と同様に、EV Hive は多数のコミュニティサービスをメンバーに提供している。ネットワークやイベントの主催、そしてまたアドバイスや同社の投資家とのコネクションといったことである。

EV Hive がインドネシア市場で突出しているのは、そのスケールと成長速度のためであるとコワーキングスペースのマーケットプレイスを提供するスタートアップ Flyspaces の設立者兼 CEO の Mario Berta氏は考えている。フィリピンに本社を置く Flyspaces は東南アジアの多数のコワーキングスペースを扱っており、その中には EV Hive やその他のインドネシア企業も含まれる。

同氏は Tech in Asia にこう語る。

EV Hive はインドネシア国産の国内チャンピオンです。

インドネシアが特に実体が伴わないのはマーケットとしてのサイズのせいでもあるが、独特な不動産関連の環境のせいでもある。

Berta 氏は以下のように説明する。

ある時点で、ジャカルタはグレード A の建物の供給過剰に達しました。

そういった不動産の平均入居率は60%前後であり、そのため大家側にコワーキングスペースのための安価な賃料の協議に応じてもらいやすい。だからこそ、ジャカルタでは同じ建物に別のコワーキングブランドが2つ3つと入っているのも珍しくはない。

インドネシア市場におけるコワーキングプロバイダーの急増はつまり、合併もおそらく避けられないということを意味していると Berta 氏は見ている。しかし、外国企業による買収よりも地元企業同士による買収・統合になるという。

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Photo credit: EV Hive

不動産開発業者とのコワーキング

Sinar Mas Land はジャカルタの衛星都市であるブミ・スルポン・ダマイ(BSD)のような場所で EV Hive と協力しており、そういった場所では不動産開発業者が多くの「スマートシティ」プロジェクトに取り組んでいる。最近、Apple は BSD にデベロッパーアカデミーを開設すると発表した。

弊社は BSD にインドネシアのシリコンバレーを作ることを計画しており、EV Hive とより緊密に協力し彼らのコミュニティを弊社の新たなデジタルパーク開発にもたらすことを楽しみにしています。

Sinar Mas Land の CEO である Michael Widjaya 氏はこのように述べた。同氏は個人的にも EV Hive に投資を行っている。

不動産会社の Cushman & Wakefield は、地域の若く多様なエコシステムの中で起業家が協力やネットワークを求めていることが、コワーキングスペースの需要を拡大させているという報告を出している。その概算によると、2016年の東南アジア、オーストラリア、およびインドにおけるコワーキング市場の年間総収入は27億6,000万米ドルであった。

一方で、不動産開発業者と大家はコワーキングスペースプロバイダーと協力することで客足を伸ばすこと、ブランドを起業家精神と結びつけることに価値を見出していると前述の報告は述べている。例えば、シンガポールの CapitaLand は WeWork と提携し、都市国家の商業的ハブであるフナンに新たな息吹をもたらしている。

元々は東南アジアのベンチャーキャピタル East Ventures の内部プロジェクトだったが、EV Hive は自立した企業として昨年スピンオフした。その後間もなくして、同社は Insignia Ventures Partners がリードするラウンドで350万米ドルを調達した。これは元 Sequoia のパートナー Tan Yinglan 氏が始めたファンドの最初の取引であった。

シリーズ A ラウンドには既存の投資家である Insignia Ventures Partners、East Ventures、SMDV、Sinar Mas Land、Intudo Ventures、そしてエンジェル投資家の Michael Widjaya 氏および Chris Angkasa 氏が参加している。

【via Tech in Asia】 @techinasia

【原文】

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