「行った場所」で欲しい情報を配信、チラシ広告を再発明するジオロジック、ジェネシアVなどから1億円を調達

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位置情報アドネットワーク「GeoLogic Ad(ジオロジック・アド)」などを展開するジオロジックは6月22日、ジェネシア・ベンチャーズ、LINE Ventures、東急エージェンシーを引受先とする第三者割当増資の実施を公表した。調達した資金は総額約1億円で、出資比率等の詳細は非公開。

ジオロジックの創業は2014年11月。サイバーエージェントでDSP「MicroAd BLADE」開発、事業展開した野口航氏が創業。GeoLogic Adはスマートフォンの位置情報データを活用したターゲティング広告配信を実現する。野口氏の説明では「チラシ広告でやっていたような商圏への広告を、スマホのバナーや動画でもできる」イメージということだった。

位置情報系の広告のトレンドについては、ジオロジック以外の競合を含め「足あと」と呼ばれるユーザーの過去の訪問履歴を元にターゲティングする手法が主流になっているそうだ。

広告主として多いのは分譲マンションなどの居住地域を重要視する不動産や学習塾、スーパーなど、過去にチラシを主としてきた事業者。また、巨大アミューズメントなど、地域に根ざした広告主が従来媒体のリーチ減少(新聞媒体等の購読率低下)を嫌って流れているという話もあった。ジオロジックがこれまでに獲得している広告主は300社になり「常時100社ほどが出稿利用」(野口氏)しているという。

また、ジオロジックは国内ほぼ全てのSSP(媒体サイドの広告配信サービス)と接続しているので、各SSPが保有する媒体へのリーチが可能になっている。素材形式はバナー、インフィード、動画が利用可能。

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なお、位置情報によるターゲティングの効果測定について野口氏に確認したところ、本来は店舗等、その場所に行ったことを測定する「来店計測」で効果検証したいが、現状ではデータが不足しており試験段階という説明だった。これが可能になると将来的に1店舗あたりどれぐらいの広告費が必要になったのか、という測定ができるようになり、「リスティング広告でキーワードを運用するように、地点を運用する世界はいずれくる」(野口氏)という。

ジオロジックは今回の調達で、販売、開発体制の強化を実施するほか、LINEとの連携、東急エージェンシーとは流通・小売業界向けのソリューション開発を進める。

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