イグニション・ポイント、ペットのDNAを元にライフサイクル事業を行う「Pontely(ポンテリー)」を設立——〝ヤフーBB方式〟で市場奪取狙う

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左から:Pontely CSO 青柳和洋氏、CEO 田村壽規氏、COO 篠原大氏

イグニション・ポイントは20日、ペットの DNA 情報をもとに、ペット流通の健全化とライフサイクル事業を行う専門会社 Pontely(ポンテリー)を設立したと発表した。ペット販売店舗との連携により、ペットの購入を検討する顧客に対して、ペットの DNA 情報をもとにした潜在的疾患などの情報提供を行う。当面は、犬のみからサービスをスタート。病的リスクを事前に通知することで、購入後の飼育放棄や殺処分の減少を狙う。

先日、イグニション・ポイントの青柳和洋氏がセキュアルの代表取締役を退任、イグニション・ポイントでの新事業創出に本格復帰することを書いた(以前の青柳氏とのインタビューで、イグニション・ポイントは、毎年2社の新規事業を目標としていることを語っている)。Pontely はそうして生まれた5つ目の事業会社となる。

Pontely の CEO と COO は、共に金融 IT 大手シンプレクス出身の田村壽規氏と篠原大氏。篠原氏はここ最近のチーム参画だが、田村氏はこの1年間くらい、イグニション・ポイント内でクライアント向けのコンサルティング業務などに従事しながら、新規事業の可能性を模索していた。彼ら2人に、青柳氏は CSO(Chief Strategy Officer)として加わり、Pontely の事業展開に注力する。

Pontely では、全国にあるペットショップと提携し、原則無償でペットに対する DNA 検査を実施し、その情報をペットショップに還元する。ペットショップは購入希望者にその情報を開示し、そのペットが売れたときに Pontely に一定額のキックバックが実施されるしくみ。Pontely は、このプログラムに参加しているペットショップに対して認定を行う。

ヤフーが無料でルーターを配って顧客を増やし、後からプロバイダ料金で回収していったヤフーBB と同じ。DNA 検査はタダで影響し、このプラットフォームに参加してくれるペットショップの拡大を図る。(青柳氏)

ペットショップにとっては新たな出費がなく、ペット購入者にとっては自動的に安心が手に入る仕組み。青柳氏は同じようなことをセキュアルでも構想していたようだが、セキュアルの場合は IoT センサーの製作原価が安くないため、〝ヤフーBB方式〟の導入は断念したようだ。

ペット保険やペットフードなど、あらゆるペット関連ビジネスはペットショップを起点としていることが多い。日本にあるペットショップは5,000店舗ほどだが、テレビで時々見るコジマのような中堅どころを除けば、全国展開できている超大手の店舗チェーンは存在しない。バーチャルながらもこのメッシュを取りに行ければ、ペット市場自体は成長産業なので、大きな市場獲得を見込めるだろう。

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