病院と介護施設をつなぐソーシャルワーカー・ケアマネージャー向けSaaS「KURASERU」、500 Startups Japanから5,000万円をシード調達

by Masaru IKEDA Masaru IKEDA on 2018.6.11

写真左から:James Riney 氏(500 Startups Japan)、 木下雄介氏(KURASERU)、川原大樹氏(KURASERU)、平山流石氏(KURASERU)、吉澤美弥子氏(500 Startups Japan)、澤山陽平氏(500 Startups Japan)
Image credit: Kuraseru

神戸を拠点に、ソーシャルワーカーやケアマネージャー向けに入院患者の退院調整支援 SaaS「KURASERU(クラセル)」を開発・運営する KURASERU は11日、シードラウンドで 500 Startups Japan から5,000万円を調達したと発表した。KURASERU は、医療ソーシャルワーカーの川原大樹氏と、IT 企業を経営・運営してきた平山流石(るい)氏により2017年10月に共同設立された。

在宅療養が難しい患者が病院から退院する日が近づくと、通常、病院のソーシャルワーカーやケアマネージャーは、その患者を受入可能な介護施設を探し出し、患者本人や家族に提案をしてくれる。介護施設の空床状況や退院する患者の症状などから適切な受入先を探すことになるが、ソーシャルワーカーやケアマネージャーは、これらの作業をすべて電話やファクスで行なっているのが現状らしい。

病院の規模にもよりますが、ソーシャルワーカー一人あたり、月に50人程度の患者は見ています。そして、患者の受入先を探し出すために、1日に多いときは60件とか電話をかけたりすることがある。そんな日はほぼ1日、電話をして終わってしまう、という感じです。(川原氏)

KURASERU
Image credit: Kuraseru

医療施設では電子カルテの導入が進んでいることから、病院と介護施設とのやりとりも遅かれ早かれ電子化が進むものと考えられるが、KURASERU はこの普及速度を一気に加速させようという挑戦だ。神戸市は医療産業都市を宣言しており、医療企業や医療関連スタートアップが PoC などを展開する場合、行政面での支援を受けやすい。

KURASERU は2017年、「KOBE Global Startup Gateway」の 5th Batch に採択されており、神戸市の後押しもあって、サービスローンチから5ヶ月足らずの間に、神戸市内の111病院中46病院(普及率41.4%)、449介護施設中128施設(普及率28.5%)に採用されたそうだ。登録している患者は50名で、これまでに介護施設に対して19名の患者紹介(送客)を成功させている。

KURASERU はこれまで介護施設側からもらう紹介料を原資に運営してきたが、今回の資金調達を受けて、一度サービスの完全無料化を図る。ビジネスモデルを確立できているわけではないが、まずは参加してくれる病院や介護施設を増やすことに注力し、神戸市内の事例をモデルとして全国展開が図れれば、売上を確保できる手段には困らないだろう、というのが川原氏らの見立てだ。

500 Startups は、神戸市からの受託で 500 Startups Kobe Accelerator を運営しているが、KURASERU は同プログラムに参加していたスタートアップではない。500 Startups Japan でシニアアソシエイトを務める吉澤美弥子氏が、自身のネットワークでディールソースしてきたようだ。吉澤氏は慶應大学看護医療学部出身で、500 Startups Japan に参加する前はニュースサイト「HealthTech News」を運営(2016年、エムステージに事業売却)するなど、ヘルステック分野に造詣が深い人物だ。THE BRIDGE でも以前、ヘルステック関連のニュース執筆で活躍してくれていた。

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