スタートアップのためのマーケティング〜第17回Monozukuri Hub Meetupから【ゲスト寄稿】

by ゲストライター ゲストライター on 2018.6.3

本稿は、京都を拠点とするジャーナリスト Sasha Kaverina 氏による寄稿を翻訳したものである。

イベントの模様を撮影したビデオはこちら

Monozukuri Hub Meetup」は、 は京都を拠点とするハードウェアに特化したスタートアップアクセラレータ「Makers Boot Camp」が主宰している。


スタートアップにとって、コンセプトからマーケットリーダーになるまでの道のりは風当たりの強いものだ。そのため、Makers Boot Camp は、スタートアップのマーケティングに関するミートアップを開催することに決めた。このイベントは、新鮮で効果的なアイデアを見つけバリューポジションを示すことができる起業家に、インサイトをもたらすことができるだろう。

このイベントでは、マーケティング費用の削減、効率の向上、新規顧客獲得の方法について、厳しい質問が投げかけられた。

Makers Boot Camp の Sabrina Sasaki 氏が自身の経験を紹介
Image credit: Tugi Guenes

動きながら音楽を作りだす

Makers Boot Camp のマーケティング責任者 Sabrina Sasaki 氏は、イベントの冒頭で日本人の聴衆が関心をを持ちやすいであろうマグロを例に挙げて、アカウントベースのマーケティング手法のコンセプトを紹介した。

彼女の簡単な説明の後、Dmet Products の CEO で、起業家・ダンサー・テックエンジニアでもある楠ダイゴ氏がピッチした。彼の最初のイノベーションである SoundMoovz は、身体の動きでアクティベーションされる電子デバイスで、ダンスしながら音楽をブレンドできる。アプリとは、Bluetooth で接続する。

動作方法:まず、手首と足首に、2つの調節可能なシリコンバンドを装着する必要がある。身体を動かすと、ワイヤレススピーカーと連動して、スマートデバイスがユニークなビートやリズムを刻み出す。

氏は、ダンス愛好家からスタートアップを創業した成功者になるまでの、楽しく躍動に満ちた経験から多くのレッスンをシェアしてくれた。彼は全くマーケティング経験は無かったが、2年間のうちに17カ国で40万台を製造・販売することができた。これぞ、奇跡ではないだろうか? 氏は、そう考えていない。

音楽を作り出すのにウエアラブルのモーションセンサーを使うことを思いついたとき、特定の潜在市場やターゲットとするグループを選ぶ必要があった。ダンサーと子供のどちらかを選ぶ必要があったとき、私は製品をアメリカに持って行き、ユーザから価値あるフィードバックが得られることを期待した。子供達は皆興奮していて、狙いが的中したことがすぐにわかった。

多くのフィードバックに自信を得た氏は、彼の製品を多くのオモチャ会社に見せてまわった。それは大きな成功だった。記録的な速さで、マジメでビジネスパーソンがキックしたり、パンチしたり、プレゼンテーションルームの中を回り出したりし始めた。ちょうど、氏の〝小さなお客(訳注:子供たち)〟が楽しんだのと同じように。氏は、ビートに合わせて踊らずにはいられなかった、子供たちや大人たちの話を共有してくれた。

大阪生まれ、東京に拠点を置く楠ダイゴ氏は、Dmet Products の製品をデモしながらダンスした
Image credit: Tugi Guenes

楠氏が SoundMoovz を作った理由とは……

  1. 真に新しい製品コンセプトだったこと
  2. プランニングに多くの時間を費やさず、プロトタイプを最初に作った
  3. マインドをオープンに持ち、製品を多くの人々に見せ、フィードバックをもらう

よりよい生活のためのデザイン

2人目のスピーカーは、デザイナーの Christopher Flechtner 氏だ。彼は、イノベイティブな自転車をピッチエリアに持ち出し、聴衆を魅了した。新しくデザインされた自転車には、後方と前方に2つの同じバスケットがあり、あらゆる硬い面にはブロックが取り付けられている。

Flechtner 氏が覚えている限り、彼は常に自転車にパッションを抱いていて、軽くて速く走る都市生活に適した新しい自転車をデザインしたいと考えていた。

Flechtner 氏 の自転車
Image credit: Tugi Guenes

Christopher Flechtner 氏:Flechtner 氏はデザインの世界に25年以上いて、米欧日の現地職人の手作業による製作から、アメリカやアジアでの大量生産まで、さまざまなスケールで仕事に取り組んできた。工業デザインに対するパッションから、彼は妻の Uchiyama Junko 氏と共にクリエイティブデザインスタジオを経営している。

Flechtner 氏は、彼の起業家人生の最初の頃の話をした後、かつて住んでいた東京で自転車を観察していたところから製品に対する多くのインスピレーションを得たと説明した。また、自身のマーケティング戦略やデジタルへの挑戦を考える上で疑念があることも事実で、会社が今もブートストラップモードで、よりよい方向性を検討しているとも述べた。

たとえ製品を作っても、それで簡単に売れるというわけではない。市場に出すまでにはやるべきことが多くあり、工業デザイナーとして私はそれに気づいた。製品を繰り返し使って、多くのショップやユーザに我々の自転車を試してもらい、貴重なフィードバックをもらうことができた。

Flechtner 氏のもう一つの製品である Beezerker モーターバイクは、シアトルで2011年に開催された Ultimate Builder Customer Bike Show で複数の賞を獲得している。
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人々が欲しがる製品を作れ

サンフランシスコを拠点とする Jeffrey Goldsmith 氏は、マーケティングを次のレベルに引き上げる秘技を持つことで知られるトップクリエイティブマインドだ。彼は売上を上げるためにデジタルツールを活用する方法について、シンプルなヒントを元ににした参加者向けワークショップを1時間にわたって開いた。

Goldsmith 氏は、魅力的なマーケティングファンネルの構築、分割された顧客クラスタへのさまざまなメッセージのテスト方法、Facebook や Google Ads などのシンプルなデジタルツールを使った、より多くのリードの作り方について秘密を公開した。自らの体験から得た信じられないようなケーススタディを使って、彼はスタートアップがより積極的かつ体系的なメッセージ戦略を適用すれば、潜在的顧客や投資家の心を勝ち取ることができるだろうと語った。

Jeffrey Goldsmith 氏
Image credit: Tugi Guenes

Goldsmith 氏のアドバイスから学べること:

  • 最初にやるべきことは、自身が発するメッセージをはっきりさせること。顧客獲得コストを下げ、オンラインキャンペーンを最適化するために、いくつかの選択肢をテストしてみよう。
  • 製品ごとに、ランディングページを作り、広告をカスタマイズしよう。
  • 潜在顧客と交わり、トレードショーに参加し製品をデモしよう。
  • パートナーと協業し、ネットワークを広げよう。
  • 顧客とはデジタルに付き合い、彼らの関心を引き出す手法を使おう。バイラルでの拡大、ソーシャルメディアを使ったキャンペーンを展開しよう。

Jeffrey Goldsmith 氏:シードスタートアップから Fotrune 500 企業まで、さまざまなグローバルブランドの広告やマーケティングキャンペーンを25年以上にわたって製作してきた。WIRED、Details など多くの出版物に寄稿しており、アクセラレータ、スタートアップ、企業顧客向けにワークショップを開催している。

Jeffrey Goldsmith 氏
Image credit: Tugi Guenes

Goldsmith 氏はプレゼンテーションの後、参加者に事業課題について質問し、マーケティングシステムを開発するための新しい方法を提案した。彼の無料のコンサルティングを受けた人々には VR Plugin for Maya MARUI VR の CEO Max Krichenbauer 氏もいた。

Krichenbauer 氏は  Get In The Ring Japan 2018 で優勝し、ポルトガルで開催される同イベントのグローバルミートアップに参加する予定。そのほかに、ミュージシャンや日本のファンをターゲットに Kickstarter のキャンペーンを立ち上げたカホン(訳注:Cajón、ペルー発祥の打楽器)ロボット「CABOT」も参加していた。

ネットワーキングセッションを通じ、スピーカーと参加者が身近に交流
Image credit: Tugi Guenes

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