コンテンツ流通技術のPulit、シリーズAでサムスンやLINE Ventures運営ファンドから数億円を調達——エンジニアやビジネス開発人材確保に注力

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Pulit のチームメンバー
Image credit: Pulit

【26日11時更新】LINE Ventures が運営するファンドに関する記述の一部を修正。

東京を拠点とし、動画やデジタル画像のコンテンツ流通技術を開発する Pulit は26日、シリーズ A ラウンドで資金調達を実施していたことを明らかにした。調達先は Samsung Venture Investment(삼성벤처투자)と LINE Ventures が運営するファンドで、調達金額は数億円とみられる。

これは Pulit にとって、2016年8月に実施したシードラウンド(調達金額5,000万円)、2017年6月に実施したプレシリーズ A ラウンド(当時調達金額は明らかにされていなかったが、約1億円の調達であったことが明らかにされた)に続くものだ。また、プレシリーズ A ラウンド時の調達先は実施当時明らかにされていなかったが、今回、DK Gate(デジタルガレージと講談社の JV)と電通からの調達であったことが明らかになった。

Samsung Venture Investment と LINE Ventures はそれぞれ、サムスンと LINE の CVC としての機能を持つが、今回の調達に関連しての提携内容の有無や詳細は不明。今回調達した資金をもとに、Pulit では本格的な事業展開を目指し、エンジニア(CDN、DRM、コンテンツストリーミング分野)やビジネス開発部門の人材確保を強化するとしている。

「超流通」
Image credit: Pulit

Pulit は2015年、東京工業大学出身で Samsung Electronics で研究開発に従事していた K.W Lee 氏(CEO)、フリーランスでアプリ開発をしていたキム・ミンス氏(CTO)、Slogan でファンド運営や技術アドバイザリー業務に従事していた小松尚平氏(取締役)により設立。2016年、Draper Nexus、Slogan、Coent Venture Partners、Viling Venture Partners らが共同運営するシードアクセラレータプログラム「Supernova」の第一期から輩出された(ただし、デモデイの時点ではステルスであったため公表されていない)。

Pulit の開発した「超流通」のスキームでは、コンテンツホルダーや製作者が配信したい映像を Pulit のクラウド環境にアップロードすることで、その映像のカバー画像に専用の電子透かし(Robust Image Watermark)が埋め込まれ、ダイレクトアクセスリンク(URL)が発行される。ユーザはこのダイレクトアクセスリンクをクリックすることで、パソコンやスマートデバイス上で OS ネイティブのプレーヤーが起動され映像が視聴できる。DRM 制御も機能するので、コンテンツホルダーや製作者が設定した条件に基づき、ローカル環境に動画を保存したり、再閲覧したりすることも可能だ。

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