インテリアシェアのCLASがANRIやバンク光本氏らからシード調達、事前登録は2500名以上にーー「家具を借りる」ニーズはどこに

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写真素材提供:クラス

家具・インテリアのシェアリング「CLAS 」を運営するクラスは7月5日、ANRIおよび3名の個人投資家を引受先とする第三者割当増資の実施を公表した。個人としてこのラウンドに参加したのはヘイおよびフリークアウト・ホールディングスの佐藤裕介氏、バンク代表取締役の光本勇介氏、個人投資家の中川綾太郎氏の3名となる。

調達した資金額や払込日、出資比率などの詳細は公開されていない。増資した資金で同社は8月に正式公開予定としている同社サービスの開発およびシェア用のインテリア、家具の調達を進める。

CLASは月額500円からインテリアや家具を利用することができるレンタルサービス。個人や不動産事業者などを対象に、月額費用を支払えば送料や追加費用なしに利用しているインテリア、家具類の交換が可能。ただし、6カ月未満の短期利用や利用家具のグレード変更の場合は別途費用や送料がかかる場合がある。

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写真素材提供:クラス

同社代表取締役の久保裕丈氏によると、5月の事前登録開始以降に2500名以上が利用希望として登録を完了しており、また、問い合わせとしてコワーキングや不動産仲介などの事業者からの反応が多かったと明かしてくれた。

「B向けの相性はよかったですね。コワーキングスペースのような事業者やAirbnbの管理会社などです。実際、民泊などを手掛けようとすると内装で1000万円単位でかかる場合があるので、その初期投資のダメージを軽減できる可能性がある」。(久保氏)

また、不動産の仲介にホームステージングという、中古物件に対してリノベーションをかけてその「見栄え」をよくするために内装を入れる事業があるのだが、そこの引き合いも多いという話だった。なお、CLASで扱う家具は専門の家具業者と提携しており、シェアから返ってきたインテリアについては、例えばテーブルなどは天板をカンナで削って綺麗にした上で再度シェアされるそうだ。

ちなみにビジネス的な視点で落とし穴をどこに設定しているのか聞いてみたが、当然ながら用意した家具と借り手の需給バランスを大きく見誤ると危ない。さらに配送料が重いので、利用者にはできるだけ長く借りてもらう必要がある。6カ月以上を最短の貸出期間に設定しているのもその辺りの試算からだそうだ。

久保氏はCLASをインテリアのレンタルではなく、家具という資産を貸し出す金融業のようなイメージとして捉えていた。実際にこれがどういうモデルに着地するのか不透明だが、実際にトラフィックが出てくればまた違った側面が見えてくるかもしれない。行き先が興味深いサービスに思える。

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