SaaS事業者向けの顧客解析ツール「HiCustomer」は7月4日、500Startups Japan、BEENEXT、アーキタイプベンチャーズを引受先とする第三者割当増資の実施を公表した。調達した資金は6000万円でラウンドはシード。出資比率や払込の日付など詳細は非公開。
HiCustomerの公開は4月23日。定期課金するSaaSサービスの利用状況から、ユーザーのロイヤリティ度合いをGood/Normal/Badでリアルタイムにスコア化し、サポートすべき対象を明確にしてくれる。運営者は結果としてLTV(ライフタイムバリュー)を最大化させるコミュニケーション施策が打ちやすくなる。
スコア以外にも、ストレージ系のサービスであれば今月は何%消費しているのか、とか、コミュニケーション系のサービスであれば何件メッセージを送信しているかなど、ユーザーごとに各サービスの主要機能の具体的な利用状況を把握することもできるようになっている。またこれらのステータスが変化した際には、運営側に対してSlackで特定チャンネルに通知を出すことも可能。
β版のリリース後に上場企業含め100社以上の利用事前登録があり、具体的な導入事例としてアライドアーキテクツやスクー、Wovn Technologiesらの利用が公表されている。調達した資金で同社は開発体制の強化を実施し、ダッシュボードの充実やスコアリング精度の向上を進める。
同社代表取締役の鈴木大貴氏によれば、β版の反応で「対応すべき顧客の優先度がわかる」という点に注目が集まっているということだった。
「いざ、カスタマーサクセスを実施しようとしても、数百から数千社以上の顧客を抱えるようになると、どの顧客が課題を抱えているのか、満足度が低い、もしくは高いのか、定量的な指標をもとに管理しないとどこに対してコミュニケーションを行うべきか分かりません。HiCustomerは顧客のコンディションを表す「ヘルススコア」で対応すべき顧客の優先順位付けを行うことができるため、優先的にコミュニケーションを行う相手を絞り込むことが可能です」。
また、鈴木氏の説明では今後、HiCustomerでカスタマーサクセスの施策が実際に効果を上げているのか、また経営指数の改善に役立っているか、といったPDCAに必要な分析機能も充実させていくという話だった。
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