〝ロボット版Android〟開発のRapyuta Robotics、シリーズAフォローオンで10.5億円を調達——物流業界向け等ソリューション開発を強化

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開発作業中の Rapyuta Robotics のエンジニアの2人。ある物体を認識し、ピックアップし、運ぶというそれぞれ単一の動作しかできないロボットに対し、機械学習により命令コマンド1本で自動的に動作をつなぎあわせるテストをしていた。
Image credit: Masaru Ikeda

東京、バンガロール、チューリッヒに拠点を置き、クラウドロボティクス・プラットフォームを開発する Rapyuta Robotics は30日、シリーズ A ラウンドのフォローオンで10億5,000万円を調達したことを明らかにした。

このラウンドに参加したのは、ジャパン・コインベスト、ソニー(Sony Innovation Fund)、JMTC キャピタル、SBI インベストメント。これは、Rapyuta Robotics にとって、2015年1月に実施したシードラウンド(3.51億円を調達)、2016年9月に実施したシリーズ A ラウンド(10億円を調達)に続くものだ。SBI インベストメントはシードラウンド以来、3回の出資機会に継続しての参加となる。今回の調達を受け、Rapyuta Robotics の累積の資金調達総額は約25億円に達した。

Rapyuta Robotics は、チューリッヒ工科大学からスピンオフしたスタートアップだ。CEO の Gajan Mohanarajah 氏は東京工業大学で修士号を取得、チューリッヒ工科大学で博士号を取得し、2014年に東京で起業した。現在はチューリッヒとバンガロールに開発拠点を持ち、社員はエンジニアを中心に25 40人ほど。

Rapyuta Robotics を開発するクラウドロボティクス・プラットフォームとは、Mohanarajah 氏に言わせると〝ロボット版 の Android〟だ。スマートフォンの世界では Google が Android を出し、そこから Android アプリの各種フレームワークが生まれ、アプリデベロッパが生まれ、アプリを使ったサービスプロバイダが生まれ、そして、それを使うユーザが生まれ、エコシステムが形成されてきた。

Rapyuta Robotics が目指すところはプラットフォーマーなのですが、ロボティクスのセクターではエコシステムが発展途上なので、そのプラットフォームを使って開発するシステムインテグレータなどのプレーヤーがまだ出揃っていません。Rapyuta Robotics では現在、プラットフォームに加えて、ソリューションの開発も行っています。(Mohanarajah 氏)

ソリューションの開発にあたり、同社はターゲットセクターを選ぶ上で「何台のロボットがつながっていて、何人の技術者が関与しているか」を軸に Rapyuta Robotics がもたらすことのできるインパクトを考え、現在は、物流(オーダーピッキングなど)、ロボットアーム、ドローンの分野にフォーカスしているという。また、すでにロボットを導入している企業は、既存の資産をリプレイスするのではなく、それを生かした上でよりよくできることが特長だと、Mohanarajah 氏は語ってくれた。

Rapyuta Robotics では今回調達した資金を使って、昨年末から実施しているアーリーデベロッパープログラムから得たフィードバックをプラットフォームに反映するための開発、プラットフォームの一般公開に向けた販売促進、物流やファクトリーオートメーション業界向けの自動化ソリューションの開発、パートナーシップ強化のための販売促進を行うとしている。

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