レストランチェーンTGI Fridays、AI戦略への投資額は1億5,000万米ドル規模に

by VentureBeat ゲストライター VentureBeat ゲストライター on 2018.7.3

ニューヨーク・マンハッタンの TGI Fridays
版権: oneinchpunch / 123RF

レストランチェーンの TGI Fridays(TGIF)は昨年、店舗外における販売の倍増に向けマーケティングオペレーションの各段階で人工知能(AI)を活用してきた。VentureBeat の試算によると、約1億5,000万米ドルの収入が上積みされた。

この戦略には、3つの主要なソフトウェアツールの活用が含まれている。それは Amperity、Aqua: Conversable、そして Hypergiant だ。それぞれ異なる種類の AI を利用している。同社の戦略が伝えているのは、ブランド企業が AI ドリブンな製品を自社で構築するのに、大がかりで高価なデータサイエンスのチームを雇う必要はないということである。代わりに、ソフトウェアを購入し、社外から助言をもらえばよい。そうすれば迅速に、そして優れた成果が得られる可能性がある。

TGIF チーフエクスペリエンスオフィサーの Sherif Mityas 氏は数週間前に行われたライブストリームインタビューの中で、彼がいかに AI を生かした成長を実現したかを詳しく話してくれた。今回は、上記ソフトウェアツールによる AI の活用方法を少し掘り下げてみていくこととする。

顧客データをまとめる

最初の製品は Amperity である。市場化されてからまだ9ヶ月しか経っていないが、TGIF による AI 対応マーケティングの多くにとっての基本となった。Amperity は、e メールから同社のアプリ、ロイヤルティープログラム、店内レシートに至るまで TGIF の様々なアプリケーションをもとに集められる顧客データをひとまとめにする。レシートとロイヤルティープログラムの情報を統合することにより、同社は特定の顧客が過去にチキンウィングを注文したことがあり、しかもそれが概ね午後5時半頃だったことを知る。すると TGIF のボットである Conversable はテキストメッセージでその顧客に個人仕様の提案をすることができる。

Amperity の CEO である Kabir Shahani 氏に接触し、この製品の活用の流れについて詳しく説明してもらった(ライブストリームは以下を参照)。

Amperity では多種多様なマシンラーニング(ML)技術を活用しており、それには決定木法、ニューラルネットワークなどがあるが、いずれもその製品内で稼働する。Shahani 氏によると、これは人に関する「何十億もの」コンテキストの訓練を受けたという。

例えば Amperty には、TGIF の複数のアプリケーション内にあるプロフィール情報を照合する機能がある。このツールはマシンラーニングを使い、プロフィールができるだけ完全に統合されるようにする。その際に多く使うのは TGIF のデータである(Shahani 氏がライブストリームで詳しく語っている)。しかし、同じ名前を持つ2つのプロフィールが同一人物なのかを決めるのに役立つサードパーティーのパブリックなデータセットも活用していると、共同設立者の Derek Slager 氏は述べている。例えばアメリカ中部では、John Smith という名前が多いことをパブリックデータが示してくれる。Amperity の AI アルゴリズムはそれを考慮に入れるのだ。

Amperity は顧客データプラットフォーム(CDP)である。この類の企業は、個人仕様のマーケティングや顧客サービスにますます多くの企業が投資している中、ここ数年で台頭してきた。実際、CDP を提供する企業の数は昨年だけで倍増した

全てのチャネルで一つの音声

チャットボット技術の企業 Conversable は、Facebook、Twitter、Amazon、Alexa など TGIF のメッセージングチャネルの全てをサポートしている。これは自然言語処理(NLP)を用いて顧客の質問を理解する。他方、多くのチャットボット企業では FAQ に頼っており、顧客に A、B、C の回答を選ぶよう強制することが多い。Conversable では、過去に学んだ対話をもとにして新たなコンテンツ(回答 D)を設けるだろう。これにより、顧客は食事の注文から予約の申し込みまで、次の行動として TGIF が望むアクションをしてくれるようになる。

バーチャル・バーテンダー

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Image credit: Pixabay

最後に、TGIF が相談した企業として Mityas 氏は Hypergiant を挙げた。その目的は差別化されていて魅力的な体験を顧客に提供できる製品についてブレインストーミングし構築することだった。両社は協力し、バーチャル・バーテンダーを思いついた。これは TGIF のバーを訪れる顧客に対し、好みの味わい、ムード、以前の行動をもとに飲み物を組み合わせる AI のサービスだ。トム・クルーズ主演の映画『カクテル』のキャラクターにちなみ「Flanagan(フラナガン)」と名付けられたこのサービスは、組み合わせにより300もの異なるカクテルを作ることができる。ダイニングルームにとどまらない個人仕様のコンシェルジュサービスを作っていくのに、Flanagan は TGIF にとって最初の段階にすぎないと、Hypergiant の CEO、Ben Lamm 氏は語った。TGIF が人員配置、在庫、収益性をより正確に予測できるようにもなるという。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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