中国の清華大学、AIリサーチセンターを開設する計画——アドバイザーにGoogleのAIチーフを指名

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北京で開催された Google の AI シンポジウムで、AI センターの開設を発表する清華大学。
Image Credit: Tsinghua University

本日(6月28日)、北京で開催された Google の AI シンポジウムで、清華大学は人工知能の研究開発センターを中国で開設する計画を明らかにした。関連の発表で、同大学のコンピュータサイエンス諮問委員会に Google の AI チーフ Jeff Dean 氏が就任することも明らかになった。

同大学の発表によれば、中国科学院長の Bo Zhang(張波)博士とチューリング賞受賞の Andrew Chi-Chih Yao(姚期智)博士が率いる清華大学人工知能研究所は、新たなタイプの AI ハードウェアとコアアルゴリズムに特化し、Tencent(騰訊)や Horizontal Robotics(地平線)などのハイテク企業と協業していく予定だという。

また、2017年12月に北京で AI センターを開設した Google とも緊密に協力する予定だ。マウンテンビューを本拠とする Google は既に、北京大学や中国科学技術大学、同地域のその他の研究機関と連携している。

清華大学の Qiu Yong(邱勇)学長は声明で以下のように述べている。

今日の AI 開発はまだ本質的な理論的枠組みを必要としており、理論面の革新なくして発展はありえません。AI 研究の一員として、大学は基礎研究の探究という点で独自のアドバンテージがあります。

清華大学の発表は、中国が AI 研究に多額の投資をしている時流に乗っている。2017年には、中国国務院は2030年までに中国が「世界の主要な AI イノベーションセンター」となることを目指す意欲的な政策の青写真を発表しており、1,500億米ドル相当の規模となりうることが見込まれている。

CB Insights によると、中国における今年の AI 関連の特許出願件数は、2010年から2014年の間の出願件数に比べて3倍に増加しており、過去6年間で AI のスタートアップは45億米ドル超を資金調達している。2018年初頭には、中国のスタートアップ SenseTime(商湯)が6億米ドルを調達している。この資金調達ラウンドをリードした Alibaba(阿里巴巴)は、45億米ドルの潜在価値があると SenseTime を査定している。

最近になって中国政府は21億米ドルを投じて北京に AI テクノロジーパークを建設する計画を発表した。そして、北京から数時間のところに位置する天津市では、AI 開発の支援を目的とする50億米ドルのファンドを開設した。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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