ゼノデータ・ラボ、ダウ・ジョーンズと提携——過去10年分のニュースを使った業績予測AIを開発、三菱UFJ銀行と「ひふみ投信」運営に導入

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MUFG デジタルアクセラレータ第3期デモデイでピッチする、xenodata lab. CEO の関洋次郎氏
Image credit: Masaru Ikeda

【8月1日更新】訂正線部を削除、赤字部を追記。

東京を拠点に、自然言語を理解して企業分析を行う人工知能を開発するスタートアップ xenodata lab.(ゼノデータ・ラボ)は27日、ダウ・ジョーンズと業務提携し、将来予測 AI の開発と営業を開始したと発表した。

ダウ・ジョーンズは傘下に経済専門誌のウォール・ストリートジャーナルやバロンズを擁し、ニューヨーク株式市場における株式指標のダウ平均の発表で知られる経済情報専門会社。今回の提携を通じて、xenodata lab. はダウ・ジョーンズが持つ構造化データである DNA プラットフォームを通じて、過去10年分のニュースアーカイブを用いてシステムの開発が可能となる。

xenodata lab. では、従来プロダクトである「xenoFlash」に加え、ニュース記事に含まれる過去の経済事象の連関から企業の利益影響を自動で分析し、企業の業績予測を行う AI を開発、その予測情報を提供する SaaS 「xenoBrain」を開発した。三菱 UFJ 銀行は、法人取引部門に xenoBrain を展開し、上場企業の分析業務効率化に活用、企業分析シーンにおける早期実用化を目指す。

MUFG デジタルアクセラレータ第3期デモデイでピッチする、xenodata lab. CEO の関洋次郎氏
Image credit: Masaru Ikeda

なお、xenodata lab. の創業者で CEO の関洋次郎氏は、27日都内で開かれた MUFG デジタルアクセラレータ第3期のデモデイに過去卒業スタートアップとして登壇、xenoBrain が ETF「ひふみ投信」などの運用で知られるレオス・キャピタルワークスにも先行導入されているが導入を検討中であることを明らかにした。

xenodata lab. は2016年、三菱 UFJ 銀行が所属する MUFG の FinTech アクセラレータ(現在は、MUFG デジタルアクセラレータ)で第1期デモデイでグランプリを獲得していて、2017年には三菱東京 UFJ 銀行や三菱 UFJ キャピタルからは、2017年2月のシードラウンド、2017年11月のシリーズ A ラウンドの2回にわたり資金を調達している。

xenodata lab. は今月、xenoFlash についてもブルームバーグコンセンス予想値を組み込んだ決算分析レポート「xenoFlash with ブルームバーグコンセンサス」の提供を開始している。

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