AI活用の航空運賃予測アプリ「Hopper」、インストール数3,000万件を突破

by VentureBeat ゲストライター VentureBeat ゲストライター on 2018.8.20

より低価格で飛行機を利用するためにはいつ予約すればいいのかを教えてくれる旅行アプリ Hopper は、AI の力を活用して過去2年間で飛躍的な成長を遂げたとしている。

すでに総売上の4分の1は AI を使用した通知によるものであり、この割合は増加していくだろうと同社は述べている。さらに重要な点は、AI が生み出したこれらの売上は、元々別の目的地や別の日取りの旅行を探していたが Hopper レコメンデーションで考えを変えた顧客からのものだということである。

Hopper のグロース・ビジネス部門トップである Dakota Smith 氏はこう述べた。

弊社が気付いたのは、ユーザが元々検索していた旅行よりも、レコメンデーションの方がコンバージョンが2.5倍好調だったということです。

たとえば、ニューヨークにいてハワイまでのチケットを探している顧客は、カリブ海やマイアミの魅力的なビーチ行きの大幅に安いチケットに惹かれて購入するということがあると、Smith 氏は VentureBeat のインタビューで述べた。

適切なユーザに、適切なタイミングで、適切なレコメンデーションで働きかけるということが、弊社の成功の鍵です。

高まっているアプリの評判や「秘密の料金」のようなキャッチーな特徴により、ダウロードの勢いは大きく増した。Smith 氏によれば、Hopper は2015年のローンチから合わせて3,000万ダウンロードを成し遂げたところである。同社が2,000万ダウンロードを超えたと初めて発表した2月から50%アップした。4月、Hopper はチケット売上の25%は AI の力によるものだと明かした。(Smith 氏は現在の数字を明かさなかったが)その割合は増えているものと思われる。

2020年までに8,000億米ドル規模になると予想されている航空チケット業界の中で同社は新興企業であり、大量の競争相手と対面している。他社との差別化を図ることができた唯一の手段は、データを通じてであった。Smith 氏によると、同社は(170名の従業員の中で)比較的少ない10名のデータサイエンティストのチームを持ち、予測と通知のエンジンを稼動させている。

Hopper は1ヶ月に1兆個のプライスポイントをネット中から追跡するように、アプリの予測アルゴリズムを設計した。同社は5年分の過去のデータと数兆個の価格のアーカイブを保存しており、そして、より正確な予測を提供するためにユーザの行動からフィードバックを追跡する。この予測がアプリの通知を動かし、それが売上の90%を生み出すと Smith 氏は言う。

中心となるそのプラットフォームに加えて、Hopper は新たな AI 駆動のレコメンデーションアルゴリズムの試験を始めた。出発地、目的地、月や週を入れ替えて、より安いものをユーザに通知するのだ。コンバージョンデータはさらにアルゴリズムを強化し、将来のレコメンデーションの妥当性を向上させている。

間もなく Hopper は、ユーザが頼んだこともない、1週間に100万米ドルの航空料金を販売するようになっていた。

同社は昨年の収益が1,500万米ドルであったとしている。平均的な予約価格が500米ドル(顧客は一度に複数枚のチケットを予約することが多い)であり、同社は毎日150万米ドルから200万米ドルほどを売り上げていることになる。1つの予約につき5ドルの予約手数料に加えて、Hopper は航空会社の手数料や、業界の Global Distribution System(GDS)の企業およびホテル予約のインセンティブから利益を得ている。

下の動画は筆者が行った Smith 氏へのインタビューである。これはサンフランシスコで8月21〜22日に行われる VentureBeat のイベント「Transform」に向けての準備段階で公表している、ブランドは成長のためにどう AI を使っているかというシリーズ記事の1つだ。私たちのモットーは「君もできる!」である。Hopper の Smith 氏も Transform に来場し、どうやって AI を使いコンシューマアプリを作ったのか、より詳細な話をしてもらう予定だ。

以下はインタビュー中で筆者が重要だと考える5つの点である:

1.グッとこらえて初めからユーザデータを集める。

多くのウェブサイトではユーザに登録やログインをしてもらう必要がないため、「コールドスタート」問題に直面している。例えば旅行では、ユーザはニューヨークからホノルルまでの航空便を検索するかもしれないが、それは1つの検索に過ぎず、ユーザはウェブサイトにとって匿名のままだ。そのユーザはそのまま立ち去ってしまうかもしれないし、3週間後に戻ってきて別の検索をするかもしれない。ウェブサイトはその2つの検索を関連付けることが困難だ。

Hopper はモバイルオンリーで行くことに決めた。ユーザはアプリにログインする必要があり、Hopper はすべてのデバイスの ID を分かっているので、個々人のユーザのデータを大量に集めている。Hopper ユーザの約70%は旅行のためのプッシュ通知とアラートに登録しているため、Hopper は小さな相関を取ることができ、その相関をアルゴリズムに注入することができる。

2.小さく始めることを恐れるな。

ユーザは1回だけ検索してみることから始める。しかし Hopper はその検索に関して大量の通知を送る。

代替案などをユーザや消費者にお勧めし始め、アルゴリズムの訓練を始めます。考慮すべきことすべてを検索の入力欄に入力するのは、ユーザにとって非常に困難であると、弊社は割りと早い段階で悟りました。ユーザは目的地を1つと、おそらく1組の日付を入力するかもしれませんが、ユーザを1時間の間椅子に座らせ、行きたいと思っている場所をすべて聞き出すというのは非常に困難なのです。ですが弊社はプッシュ通知を通じて、数ヶ月かけてコミュニケーションをとるという方法を知っていました。これは非常にゆっくりと始まります。非常にゆっくりと、AI や機械学習に踏み込んで行くのです。

ユーザはたとえばニューヨークからホノルルへの航空便を探しているのですが、客観的に見れば、これは10時間のフライトであるということ、おそらく1,000ドルほどだということ、目的地はビーチであるということを弊社は分かっています。弊社はこうお知らせすることから始めます。『このチケットよりも、マイアミについてお考えになってみませんか? こちらなら約200ドルでフライト時間は2時間です』こうしたところ、マイアミ行きのチケットがホノルル行きよりも多く売れました。(Smith 氏)

3.忍耐は報われる。

デジタルマーケティングキャンペーンから弊社のアプリをインストールしてくださるユーザがいて、弊社がお願いしたのは旅行を見てプッシュ通知に登録することだけでした。(Smith 氏)

大半の時間は、Hopperはユーザにもっと良い価格を待つようにと言っている。

3ヶ月が経ち6ヶ月が経ち、ユーザは弊社と一緒に見ている旅行を予約するようになってきました。自分たちの製品を信じてもらうのに6ヶ月かかりました。(Smith 氏)

苦痛なほどのスロースタートであり、コンバージョンは低調だった。しかしその甲斐はあった。

4.もし持っているものがユニークではないなら、別の場所で始めるべし。

Hopper は、他のやり方なら公に利用できるデータを、業界の GDS から購入することから始めた。だが Hopper はそれを5年間保存し始め、パターンを追跡し、それに加えて、プッシュ通知を通じてユーザとリエンゲージしさらに上質なデータを集め始めた。他の企業への Smith 氏 のアドバイスはこうだ。「自分のビジネスにインパクトを与えるほど十分な情報処理機能があるアルゴリズムを持てるよう、十分なユーザと十分な交流を持つ」ことができる場所を探さねばならない。

5.エンゲージメントをパーソナライズし、そこから学ぶ。

Hopper はユーザの好むコミュニケーションの頻度を追跡することができ、それに合わせて通知を調整する。

複数のものを見たり検索したりすることで、自身に柔軟性があるという多くの兆候を伝えてくるユーザもいます。そうでないユーザもいます。他の柔軟なユーザにも見られるこれらの小さな相関を取り、そして、あらゆる兆候から見ても柔軟ではないユーザにもプッシュ通知を送り、それを適用するのです。(Smith 氏)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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