バイクシェアリング戦争(後編):中国の小都市で、Hellobike(哈羅単車)はこうしてMobike(摩拜単車)とOfo(小黄車)を打ち負かしている

by Tech in Asia Tech in Asia on 2018.8.10

2級都市である杭州でみられる、Mobike(摩拜単車)、Ofo(小黄車)、Hellobike(哈羅単車)の自転車
Image credit: Tech in Asia

前編からの続き)

中国におけるバイクシェアリング戦争はまだまだ終わらない。市場は2017年から2019年の間に新たに1億6,700万人の新たなユーザを加え、顧客数は3億7,600万人に上ると予測されており、その成長は北京や上海、広州、深圳といった1級都市以外の場所で起こるとされている。

業界大手の Mobike(摩拜単車)と Ofo(小黄車)は小規模都市へと積極的に進出しているが、業界3位の Hellobike(哈羅単車)は既に有利なスタートを切っている。

強力な味方

小規模都市へと進出しているバイクシェアリング企業は Hellobike だけではないが、Meituan(美団)の Mobike と、Alibaba(阿里巴巴)が支援する Ofo を除いて、Hellobike とその最大の投資家との強固な協力関係に太刀打ちできるものはほぼいないだろう。

Hellobike は最近 Ant Financial(螞蟻金融)と提携するまで、ほぼ勝ち目がない状態だった。Alibaba が33%の持分を握るこのフィンテック大手は、昨年12月に Hellobike への最初の投資を行い、5月に3億2,100万米ドルの資金を提供して同社の筆頭株主となった

Hellobike の COO の Han Mei(韓美)氏によると、現時点で同社の評価額は23億米ドルを超えるという。Ofo の評価額は30億米ドルであると昨年12月に報告されており、Mobike は4月に34億米ドル相当の取引で Meituan に売却された。

Ant の助けは筆舌に尽くしがたいものだ。この4月には Hellobike のサービスがAnt の Alipay(支付宝)のeウォレットを通じて利用可能となったため、ユーザはもう Hellobike 専用のアプリをダウンロードする必要がなくなった。Hellobike は Alipay が巻き起こしたトラクションが正確にはどれくらいなのかを明らかにはしていないが、Han 氏は同社の「オンラインユーザ獲得」にとって「非常に価値がある」と認めた。

Alipay は膨大なユーザベースと社会的な影響力を持っています。新たなユーザにとって Alipay を使って Hellobike にアクセスすることは、より利便性に優れています。そのため、弊社が新しい都市に進出するときはいつも、まず Alipay を使ってプロモーションを行います。(Han 氏)

しかしながら、Alipay の6億5,000万人のユーザは Hellobike が独占しているわけではない。Ofo とその他4社のバイクシェアリング企業もまた、Alipay を通じてアクセスできる。Mobike は Tencent(騰訊)の支援を受けており、同社が持つ凄まじい人気を誇るメッセージアプリ WeChat(微信)上で利用可能だ。

Hellobike と Ofo は小都市という同じ目標に対する競合が高まってきており、この2社が合併するかもしれないという憶測が出回っている。

Hellobike はその噂にはほとんど関心がありません。

もし自社のチームとビジネスが上手くいっているならば、それらの決定においてもっと大きな発言権を持ってるはずです。(Han 氏)

デポジット無料へ

3月に Hellobike は再び Ant とタッグを組んで新たにアグレッシブなステップを踏み出した。同社は Ant の Sesami Credit System(芝麻信用)で650以上のスコアを持つすべてのユーザのデポジットを廃止したのだ。Ant の財政支援により、Hellobike は顧客のデポジットがなくても資金繰りに困らなくなったのである。

結果は素晴らしいものだった。ほんの2ヶ月のうちに Hellobike の登録ユーザは70%アップした。そして Ofo と Mobike がそれぞれ39.5%と28.8%を占める1月から3月までの業界内新規ユーザにおいて、Hellobike は25.7%にまで迫った。

月単位のユーザ総利用時間推移
新ユーザが占める割合

Ant の側では、この動きは同社が顧客に Sesame Credit を展開して大きく推し進めている「デポジット無料のシェアリングエコノミー」に上手く合致している。昨年11月、Ant は顧客のデポジットを廃止する企業を助けるための1億5,200万米ドルのファンドを発表した。地方の監督機関もまた、ユーザの資金の不正使用が広がる中で、デポジットの停止を呼びかけている

Hellobike のデポジット無料という計画は決して独特のものではない。ユーザ獲得のため Mobike は今月、中国のすべての顧客の45米ドルのデポジットを、条件をつけずに取りやめた。対照的に、Ofo はこの5月に20の都市でデポジット無料にするプログラムを取りやめ、「現時点では199人民元(約3,000円)のデポジットを廃止する計画はない」とメディア企業 Caixin に語った。

Ofo の決定は同社の資金難への憶測を深めるものだ。だが Mobike と Hellobike も同様のプレッシャーにさらされている。かつてのバイクシェアリング助成金の熱狂と同様に、デポジット無料プログラムは大きな資本を必要とする。Meituan の IPO 目論見書が示すように、Mobike はまだ利益を出していない

中国のバイクシェアリング企業は、新たな収入源として、自転車フレームに広告を入れ始めている。
Image credit: Hellobike

Hellobike は採算性にどれほど近づいたのか明らかにしていないが、Han 氏は位置情報に基づいた広告が「非常に良い収入源」であると示唆している。

たとえば、銀行から500メートルの場所にいるとき、付近のビジネスは Hellobike のアプリを通じてクーポンを強くお勧めします。多くの企業がこのサービスに喜んでお金を払うでしょう。なぜならターゲット設定が非常に正確ですから。潜在的な対象ユーザのサイズは大きく、集客コストは低いのです。(Han 氏)

Mobike や Ofo と同様に、収入源の多様化のため、そして通勤の選択肢を揃えるために、Hellobike も電動自転車について注意深く考えている。電動自転車は5kmから10kmの道のりにおいて「Didi(滴滴出行)のニーズに間接的に取って代わる」ようになると、GGV の Jixun Foo(符績勳)氏は述べた。

Didi もこの電動自転車の登場にどう対処するのか考えなくてはならなくなるでしょう。(Foo 氏)

【via Tech in Asia】 @techinasia

【原文】

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