深圳は、ブロックチェーンを使った電子インボイスシステム「fapiao(発票)」の全国展開に向けた実用試験を実施する都市となる。中国の誰もが使うアプリ「WeChat(微信)」を使ったこのサービスは、Tencent(騰訊)、深圳市水務局、ソフトウェア会社の Kingdee(金蝶)によって開発された。
fapiao は、商品やサービスを購入したことを証明する法的領収書だ。しかし、法律事務所の Dezan Shira and Associates によれば、より大きな fapiao の請求システムが、中国の税法、企業のコンプライアンスには必要な不可欠な存在となる。従業員は精算のために、会社に対して頻繁にインボイスを提出している。
税金関連のほとんどの事柄と同様、fapiao のシステムも定期的に悪用される。タックスインボイスは、公衆の場で文字やステッカーでよく見られる広告を通じて、ヤミ市場で購入することも可能だ。
新しいインボイス発行システムのローンチは8月10日、Tencent から発表された。特別な形式、Excel タブ、配送サービス、糊が必要になる紙形態の fapiao を送付する際の過度に複雑なプロセスと違って、電子インボイスは WeChat から直接発行が可能になっている。
<関連記事>
ユーザは支払後にバーチャルな famipo の受取を申し込むことができ、その fapiao を精算のために提出するインボイスを選択できる「Card Bag(卡包)」内に保存することができる。インボイス情報は、会社や税務署とリアルタイムに同期することになる。
Tencent によればブロックチェーンの採用したことで、それぞれのインボイスを後から追跡でき、情報改ざんができないようにし、データが消滅しないようにした。プロセス全体をリアルタイムでモニター可能だ。
今回の事例は、中国で初めてのブロックチェーンベースの電子インボイスシステムではない。6月には、「税鏈」というシステムが、広州国家ハイテク産業開発区の黄埔区と広州燃気集団(ガス会社)によりローンチしている。
中国政府は、知的所有権の保護、元受刑者の監督、公衆ヘルスケア向けの ID システムなど、ブロックチェーンを他の分野にも適用することを模索している。
Members
BRIDGEの会員制度「Members」に登録いただくと無料で会員限定の記事が毎月10本までお読みいただけます。また、有料の「Members Plus」の方は記事が全て読めるほか、BRIDGE HOT 100などのコンテンツや会員限定のオンラインイベントにご参加いただけます。無料で登録する