Amazonが目黒駅前に新オフィスを開設、世界3番目となるデベロッパ向けコミュニティスペース「AWS Loft Tokyo」は10月1日にオープン

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E コマース大手 Amazon Japan と、クラウド大手 Amazon Web Services Japan(AWS Japan)は、目黒駅前に新オフィスを開設し、19日メディアに公開した。同じく目黒にあるアルコタワー、アルコタワーアネックスにある Amazon Japan / AWS のオフィスに加え、3番目の拠点となる。

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新オフィスは仕事環境の快適性と機能性を追求し、従来の固定席に代えフリーアドレスが採用されており、室内スペースには緑がふんだんに取り入れられているのが特徴。国籍・宗教・性別などを問わない多様性に富んだオフィス環境を実現するため、オフィス内には礼拝室、搾乳室、ジェンダーフリーのトイレやシャワールームなども整備されている。

AWS Japan 代表取締役社長の長崎忠雄氏によれば、新オフィスでは Amazon Music や Amazon Device などの同社における新興系サービスを多数取り扱うほか、クラウドアーキテクチャー 、機械学習、ディープラーニング分野の人材育成も加速させるという。イノベーションの創出のために最適なオフィスのあり方を社員から募り、それらが流線型のインテリア造作や座席の配列などにも反映されている。


  

世界3番目となるデベロッパコミュニティスペース「AWS Loft Tokyo」の誕生

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新オフィス内にはデベロッパ向けのコミュニティスペース「AWS Permanent Loft」がサンフランシスコやニューヨークに続き、世界で3番目に開設された。コーワキングスペースは、平日10時〜18時の間 AWS のアカウントを持ってさえいれば無料で利用可能。最大150名あまりが収容可能な空間を利用して、夕方以降は週に2回程度のペースで、デベロッパコミュニティやスタートアップ向けのイベントが開催される予定だ。

10月1日にオープンする AWS Loft Tokyo により、今後期待される AWS Japan とスタートアップとの関わりについて、AWS Japan スタートアップ事業開発部プリシンパルマネージャーの畑浩史氏に話を聞いた(可読性向上の意図から、一部内容を編集しています)。

Q. AWS Loft Tokyo が開設されることで、どのようなことができるようになるか?

AWS Loft Tokyo には、AWS のソリューションアーキテクトや AWS のエンジニアが常駐するので(Ask An Expert のコーナー)、技術的な質問なども気軽にしてもらうことができる。コワーキングがあることで、そこにいる人たち同士でセレンディピティ的に何かが生まれたり、開発が促進されたりすることも増えるだろう。 これまで AWS がイベントをやるときは外部のスペースを使っていたが、AWS Loft Tokyo は専用スペースなので制約が無い。いろいろイベントをやっていこうと思っている。(編注:イベントの詳細情報はここにある)

Q. AWS に限らず、GAFA(Google、Amazon、Facebook、Apple)はガバナンスやセキュリティが厳しいと言われる。オープンなスペースを作って外部の人を中に招き入れるという点で、ここは幾分、トレードオフが必要にある部分があるかもしれないが。

ニューヨークやサンフランシスコの Permanent Loft をはじめ、世界中の Pop-up Loft などで4年間にわたりオープンスペースをやってきたノウハウがあるので、大きな問題が生じるとは考えていない。もちろん、注意しなければならないことはあるが、お客様に提供できるメリットの方が大きいだろう。AWS アカウントを持っていて、ビル入口で身分証明さえ提示してもらえば、営業時間中であれば予約無しで使ってもらえる。

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Q. アカウントは持っていても、上がっている EC2 や S3 のインスタンスが無くても(つまり、料金が発生しているユーザではない)大丈夫か?

今のところ、大丈夫です(笑)。

Q. スタートアップコミュニティとの交わりや、共同でのイベント開催なども可能なのか?

AWS Loft Tokyo は目黒にあり、スタートアップが集積する渋谷、五反田、六本木などからのアクセスも非常にいい。ビットバレー、五反田バレーに続き、目黒バレーが醸成される中心になる可能性はあるかもしれない。坂の上にあるので、(バレーではなく)ヒルになるかもしれないが(笑)。

時には、スタートアップのために、例えば VC を招いての資本政策についてのイベントのようなものも開くかもしれないが、AWS など技術面での支援をするものが中心になると思う。どのようなテーマがどの程度の割合になるかは、やりながら考えていきたい。

Q. スタートアップが頼りにできるスペースという文脈では、例えば、Alexa ファンドを紹介してください、みたいな相談もできるのか?

直接の担当ではないが、担当のチームに紹介してほしいとかいう要望には応えられる。

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Q. 将来「AWS Loft Tokyo ができて、本当によかったね」と評価できるマイルストーンがあるとすれば?

まずは、多くの人に来てもらって、ここの存在を知ってもらうこと。そこから、また新たなニーズが出てくると思う。一番美しいストーリーがあるとすれば、まだ起業していない人が AWS Loft Tokyo にやってきて、ここで出会った人同士で起業し、アプリをリリースし、ここきっかけで VC から資金調達し、ユニコーンに成長する、なんていうチームが出てくれば最高。

トレジャーデータとか、ソラコムとかのような、エンジニアが起業するスタートアップはまだまだ少ない。そういうスタートアップが生まれるきっかけも作っていきたい。(技術系のスタートアップがしばしば不得意な)ユーザインターフェイスを改善するためのデザイン系のセミナーとか、マーケティングのやり方のセミナーとか、そういう支援もやっていきたい。

今回のインタビューまで知らなかったのだが、畑氏は AWS Japan に入社する前、自身も診療所向けの予約システムを開発するスタートアップの立ち上げに関わっていたのだとか。残念ながら、このスタートアップは成功イグジットとはいかなかったそうだが、スタートアップする側からスタートアップを支援する側へと立場は変わっても、スタートアップ好きの気持ちはそのまま、より多くの起業に携わっていきたいと語ってくれた。

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