リモートワークの会話量が40%アップ、「1000万かけても価値がある」ヌーラボ”General Meeting“という方法 #明星和楽

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本稿は、明星和楽2018 Summer の取材の一部である。

取材で福岡・明星和楽に参加しています。東京以外のスタートアップを取材する際、度々話題に上がるものに「コミュニケーションコスト」の問題があります。事業面ではやはり東京が大切ということで比較的早い時期に営業所を置いたり、そこで発生するやり取りや人間関係で頭を悩ませた結果、やっぱり東京に移転という例もあります。

福岡に本社を置くヌーラボもその一つです。同社は年に一度、「General Meeting」という1週間に及ぶ全社イベントを開催しており、東京、京都、ニューヨーク、シンガポール、アムステルダムなどで働く110名のメンバーが福岡の地に集まります。

一般的な社員総会の枠を超えて、経営戦略などの共有以外にも家族も参加できるバンド演奏などのパーティや利き酒、お菓子作りなどのワークショップも開催され、これを実施することで、同社の社内の会話量が40%も改善したというデータも出ているそうです。

海外からの交通費を含めると1000万円ほどのコストがかかるというこの取り組み。実施するメリットや方法についてヌーラボ代表取締役の橋本正徳さんにお話を聞きました。(太字の質問は全て筆者、回答は橋本氏)

General Meetingって具体的にどういうものなんですか?

会社の実績や次の3年間の抽象的な計画の話と1年間の具体的な計画の話を、世界中から集まった全社員と共有するミーティングがあります。

1週間あるんですよね

はい、それに合わせて超ポジティブな思い出づくりのために、3日間くらいのレクレーションなどの活動をやるんです。クラブを貸し切って家族や関係者を招待したパーティーや、ハッカソン、他には沢山のワークショップなどなどですね。前年度から社員が企画をして実行するようになりました。

会話量が4割増えたということですがこれは具体的には

コミュニケーションツール「Typetalk」を提供しているのですが、これらオンラインツールでの利用率がおおよそ40%アップした、ということです。またこういったいべんとを通じて「知らない仲」ではなくなったので話しかけやすくなったのだと思います。コミュニケーションにおいて、オンラインの強みは「情報交換」で、オフラインの強みは「感情交換」だと考えてます。

なるほど

リアルな場で会ってちゃんと感情が交換できている状態であれば、離れてオンラインで情報交換をしててもエモーショナルな部分を想像で補完できるので、コミュニケーションの内容や濃度が高まります。そうすると、会話することの価値が高まり、会話の量が増える結果になります。

それまではみんな喋らなかった?

以前がどうだったかはすでに忘れていますが、喋らなかったわけではないと思います。ただ一度も会ったことのない人と、衝突が発生しやすい仕事の会話をすることはハードルが高いと思います。しかも、異国で異文化で異言語な人たちとの会話となると、更にハードルは高まって、壁のような高さになります。

コストもバカにならないですよね。1000万円近くかかってるという話ですが、費用対効果は

日本中、世界中から100人近くが集まるのでどうしても費用はかかってしまいますね。DIY精神で極力自分たちでコンテンツを作ってますから節約はできてます。一方でやらないのであれば、組織の作り方や文化など諸々を変えていかないといけなくなり、それはきっと、ヌーラボっていう会社ではない別の会社になってしまうと思っています。

なるほど、コーポレート文化を作ることで説明コストが軽減できればこのコストは必要と考えられる、という話ですね。ありがとうございました。

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