TechNode主催Asia Hardware Battle 2018、日本予選の結果を発表——排尿予測センサー「DFree」が10月9日開催の上海本選に出場へ

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左から:TechNode(動点科技)の Yipei Lee 氏 と Takumi Innovators(匠新)の田中年一氏。Asia Hardware Battle の昨年の様子を説明。
Image credit: Masaru Ikeda

Asia Hardware Battle は THE BRIDGE のメディアパートナーでもある中国のテックメディア TechNode(動点科技)が開催するピッチコンペティションだ。2016年から中国四川省の成都や上海などで開催されており、今年で通算3回目を迎える。28日、東京・渋谷のコラボレーションスペース「100BANCH」で日本予選が開かれ、日本のスタートアップ11社がピッチした。

日本予選の審査員を務めたのは、

  • 岩佐琢磨氏(Shiftall CEO)
  • 板谷俊輔氏(Danny Pro. CEO / Founder)
  • 田中年一氏(Takumi Innovators=匠新 CEO / Founder)
  • Yipei Lee 氏(TechNode=動点科技)

日本・中国・台湾・韓国・タイ・シンガポール・インドネシア・マレーシア・インドを拠点とし、今年の Asia Hardware Battle の4つの募集テーマ「AGRITECH」「HEALTH」「SMART HOME」「5G RELATED」のバーティカルに属するハードウェア・スタートアップが対象。

各国選出のファイナリストチームは、10月9日に上海で開催される Asia Hardware Battle の本選に招かれ、そのピッチの審査結果をもって、AHB Gold(5万人民元)、AHB Silver(3万人民元)、AHB Bronze(1万人民元)が授与される。優勝チームには TechNode が上海で展開するコワーキングスペース「NodeSpace(動点加速器)」で半年間7人分のオフィススペースが提供される。

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日本予選で優勝した Triple W Japan 日本支社長の小林正典氏(左)
Image credit: Masaru Ikeda

日本予選で優勝したのは、排尿予測センサー「DFree(ディーフリー)」を開発するトリプル・ダブリュー・ジャパン。同社は10月9日に日本地域を予選するファイナリストとして、Asia Hardware Battle の上海本選に参加。優勝を目指して他のファイナリストとピッチバトルを繰り広げる予定だ。

DFree はこれまでの高齢者施設向け B2B のサブスクリプションサービスに加え、今年7月から売り切り型の個人向けのデバイス販売を開始しており、今月からはアメリカ、来月からはフランスで販売を開始する予定。社会の高齢化が急速に進みつつある中国への進出も検討しており、今回の Asia Hardware Battle への参加の背景には、中国市場への進出可能性を模索する意図があるようだ。

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Image credit: Masaru Ikeda

今回惜しくも入賞とはならなかったが、日本予選に出場した個性あふれるハードウェアスタートアップの顔ぶれは次の通り。

  • 歯っぴー……無色透明な歯垢を薬剤を使わず光学処理と画像処理のみで可視化。ユーザが自分でハミガキの状態をリアルタイムで確認できる。
  • MAMORIO……クラウドトラッキングも可能な忘れ物防止タグを開発。認知症患者の徘徊把握、ペットの迷子防止などにも応用可能。
  • LOAD&ROAD……スマートティーポット「Teplo」を開発。温度・湿度・ユーザの体温を検知して、自動的に最適な状態でお茶を入れてくれる。
  • QUANTUM GLOBAL……リビングにも合った形で自然に天気や気温を教えてくれる Ambient IoT Signage「QM Weather(クムウェザー)」を開発。高級ホテルやリゾートホテルなどから問い合わせが寄せられており、量産や追加開発体制の確立可能性を模索している。
  • mui Lab……タッチワイヤレスセンサーを内蔵し、天気予報、受信メッセージ、web 上で得られた情報を提供する木製デバイス「mui」を開発。現在、シードラウンドで資金調達中。10月19日から、Kickstarter でクラウドファンディング を開始予定。
  • ハチたま……猫用スマートトイレ「TOLETTA」を開発。猫の健康を記録し慢性腎不全などの病気を見つけられるようにする。腎不全、多尿症、毎日の体重減少などの症状をチェック可能。
  • 16Lab……もともとは指輪型ウエアラブルデバイス「OZON(オズオン)」を開発していたが、開発資金調達の都合から、現在は小型 IoT モジュールの開発にシフト。モジュールの小型化と低消費電力、それを可能にするファームウェア開発に自信を見せる。量産体制の確立に向け、300万ドルを資金調達中。
  • Scentee……AI スマートディフューザー「Scentee Machina」を開発。ニオイセンサー 、温度センサー、湿度センサー、部屋の大きさ検知センサー、重量センサーを搭載し、クラウド経由の制御によりユーザの好みの香りを放つ。液剤が残り少なくなると、自動的に発注しユーザにデリバリする機能を備える。
  • FutuRocket……アナログ電話の DTMF を使って、IoT のように web サービスを操作できるデバイス「Hackfon」を開発。昨年 Indiegogo でクラウドファンディングを実施し$2,529の調達に成功($49)した。今後、WebSummit に出展予定。
  • みまもーら……LoRaWAN を使った認知症高齢者や子供向けの見守りデバイスを開発。カバーエリアの狭さを克服するため、フェーズ2 では LTE Cat M1 搭載したバージョンを開発。来年をメドに人工知能を搭載したバッテリー不要のモデルの開発に着手する。

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