衛星開発スタートアップのCapella Space、シリーズBで1,900万米ドルを調達——バックパックサイズの衛星で、宇宙からオンデマンド撮影を実現

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Image credit: Capella Space

小型衛星を使って宇宙から見た地球の画像をオンデマンドで提供することを目指す航空宇宙関連企業 Capella Space は、Spark Capital と DCVC(Data Collective)からシリーズ B ラウンドで1,900万米ドルを調達した。

カリフォルニア州パロアルトで2016年に設立された Capella Space は、自社初の地球観測衛星の打ち上げを11月に予定している。このテスト完了後、来年には実用版の衛星36機を打ち上げることになっている。これらの衛星は SpaceX のロケットを使って打ち上げられ、地球の画像が1時間ごとに送信される計画である。

レーダー

Capella は通常の衛星とは異なり、合成開口レーダー(SAR)を採用している。SAR では全ての光と気象状況を透過して観察することができるため、地球上の人間は条件に関係なく地球の昼と夜の最新画像を取得することができる。Capella 衛星の発射前の大きさはバックパックとほぼ同じで、最終的にアンテナを展開すると約100平方フィートの大きさになる。

宇宙探査機としてのサイズ、解像度、対象地域を独自の形で組み合わせることでこれまでの常識を覆し、顧客が必要な画像を低価格で安心して購入できるようにすることが Capella 衛星の設計理念です。(Capella Space の設立者で CEO の Payam Banazadeh 氏)

Capella 衛星の最も注目すべきセールスポイントは、市場に出回っている他の SAR 衛星と比較したときの価格とサイズである。Capella衛星のサイズは市場のものと比べると30分の1の大きさになるという。さらに、他の衛星が画像の送信に数日かかるのに対して、Capella 衛星ではほぼリアルタイムで送信できる。

活用方法

衛星を使える場面は様々だが、捜索・救助活動や密漁の発見、都市計画、さらに北朝鮮のミサイルの追跡にも使える可能性すらある。

事前販売の段階で、民間企業や政府系の顧客からすでに数千万ドル規模の注文をいただいています。地球の画像の可能性をさらに広げることで、地上での意思決定に役立てたいと考えています。(Banazadeh 氏)

Capella Space はこれまで1,500万米ドルの資金を調達している。その大半は昨年 Spark Capital がリードしたシリーズ A ラウンドで調達したものである。今回新たに大きな資金を確保したことで、Capella Space の来年のビジネスにも弾みがつくことになる。

Capella 衛星によって、10億ドル規模の政府系衛星に頼っているこの産業を、バックパックサイズでこれまでにないセンサー性能を備えた衛星が存在する世界に変えていくことでしょう。(Spark CapitalのNabeel Hyatt 氏)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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