呼吸器疾患を持つ人のための空気モニタリングIoTデバイス「uHoo」、ブリッジラウンドで数百万米ドルを資金調達

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Image credit: uHoo

多くの名高いスタートアップのように、uHoo の物語も学生寮から始まった。共同設立者 Dustin Onghanseng 氏と Brian Lin 氏は、香港でMBAプログラムの勉強をしていた際、頻繁なアレルギーの発作に苦しんだ。

室内で吸っていた空気が原因だとわかったのです。(Onghanseng 氏)

苦しんでいるのは自分たちだけでない、と二人は気づいた。研究によれば、空気質がいいと健康や生産性が向上する。チャンスを感じ取った二人は、学生寮で最初の試作品を作った。設置した部屋の空気質を測定するデバイスだった。

今日、彼らが開発したデバイスは世界中に輸出されている。シンガポールを拠点とする uHoo の空気モニターは、空気質に影響する二酸化炭素、大気中化学物質、粒子状物質、一酸化炭素など9つの要素を探知する。

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uHooは10月28日、ブリッジラウンドとして米ドルで7桁前半(数百万ドル)の資金調達を発表した。Wavemaker Partners と Seeds Capital がリードし、既存投資家 East Ventures も投資に参加した。

1年2ヶ月前にローンチした uHoo は消費者に直接デバイスを届けているが、法人顧客も確保している。オフィスや病院、学校、ホテルで使用されており、不動産デベロッパーの Ascendas-Singbridge やオランダ政府なども顧客だ。

正確な収益や成長率は明らかにされていないが、15社の法人顧客を擁しているという。収益の多くは消費者への売上からだが、法人向けビジネスの方が将来有望であると考えている。

デバイスは1台あたり329米ドル。法人プランには年間利用料が含まれるが、複数デバイスの管理や、uHoo と他社ソフトウェアや構築システムを同期する API など、追加機能も提供している。

現在、シンガポール、香港、フィリピン、オランダに10人のフルタイム従業員を配置している。興味深いのは、ビジネスの多くがヨーロッパや北アメリカから来ているということだ。

Onghanseng 氏は、ヨーロッパや北アメリカでは「空気質の重要性への意識が高いこと、健康改善のために積極的にお金を払うこと」などが理由だと考える。

四つ星か破滅か

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uHoo のアプリ
Image credit: uHoo

消費者市場と法人市場の両方に同時に取り組むことは、独自の難題をもたらす。

B2C 市場は、B2B 市場と全く考え方が異なります。ニーズは似ていますが、違う方法で組み立てていく必要があります。(Onghanseng 氏)

uHooは、空気モニターの必要性を人々に納得させる、という課題にも直面している。東南アジアでは室内空気コンサルタントを雇うのが一般的だ。理解できないことだが、と Onghanseng 氏は言う。

今の業界が重点的に取り組んでいるのは、空気の測定を平均15分間で行い、その15分間でオフィスやビルの1年間の空気の全ての状態を推測することなのです。(Onghanseng 氏)

消費者を勝ち取るには、Amazonでの良い製品レビューに勝るものはない。uHooもAmazonに掲載している。

最低でも平均で四つ星は獲得したいところです。(Onghanseng 氏)

Onghanseng氏は言う。四つ星を獲得すると、その製品は「Amazon’s Choice」というラベルがつけられ、Amazon サイト内での検索結果が向上するのだ。

uHoo は2019年後半にシリーズ A ラウンドの資金調達を予定しているが、金額は未定だ。

【via Tech in Asia】 @techinasia

【原文】

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