本稿は11月18日から20日まで東京ミッドタウン日比谷で開催されるブロックチェーンカンファレンス「NodeTokyo 2018」編集部による寄稿
ピックアップ:Growing the Enterprise Blockchain Ecosystem Through Open Standards and Open Source Code via Enterprise Ethereum Alliance
ニュースサマリ:ブロックチェーンの関連企業団体であるEnterprise Ethereum AllianceとHyperledgerは10月1日、相互組織の準会員として相互参加することを公表した。これにより、両団体に加盟している企業は相互の共同作業が可能になり、ブロックチェーン技術のビジネス活用を推進する。
話題のポイント:Enterprise Ethereum Alliance(イーサリアム企業連合, EEA)と、同じく業界団体のHyperledgerが技術的知見の共有や総合的なサポート関係を築くことを発表しました。「アソシエイトメンバー」としてお互いが、お互いの組織に属することで関係性を持続させていくと述べられています。
EEA、Hyperledgerはお互いにエンタープライズを対象としたブロックチェーンの開発そして実証実験をしている団体です。EEAはイーサリアムのブロックチェーン、Hyperledgerは独自のブロックチェーンを利用しています。そのため両社はライバル関係にある、つまり「エンタープライズ型ブロックチェーンの覇権争い”EEA vs Hyperledger”」が起きている、これが一般的な認識でした。
しかしEEAが公式サイトにて発表したプレスリリースにはこのように触れられています。
What we hope to get across to the public is that anyone who ever put a “versus” between EEA and Hyperledger got it wrong; it’s now conclusively “EEA AND Hyperledger.”
“EEA AND Hyperledger”、この表現には個人的にも驚かされました。両団体は対立ではなく、協調関係にあると公式に声明を出しているのです。
暗号通貨として報道されているほとんどの話題は「パブリックブロックチェーン」に関してのものです。ただ、個人的にWalmartによるHyperldgerブロックチェーンの採用、EEAによる仕様書の発表など、今年に入りコンソーシアム型ブロックチェーン(今回の場合エンタープライズ型と同義)の動きが加速している印象がありました。
こういったタイミングで、業界団体であるEEAとHyperledgerの壁がなくなることで、社会への浸透加速度がさらに早まることに期待が高まります。(執筆:増渕大志)
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