欧米で急成長中「バイオ肉」市場、3週間で出荷できるMeatableがシード資金調達

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selective focus of ham burger on wooden surface photo
Photo by Dana Tentis on Pexels.com / ※写真はイメージでMeatableではありません

ピックアップ:Meatable to Feed the World with Breakthrough Single-Cell-based Meat Technology via Meatable Press Release

ニュースサマリ:人工肉を開発するバイオテックスタートアップのMeatableは9月30日に350万ドルのシード資金獲得を公表している。リードしたのはBlueYard Capitalで、Atlantic Food Labs、Future Positive Capital、Backed VCおよびエンジェル投資家が参加した。同社は特許取得済みのプラットフォームを使って鶏肉や豚肉、牛肉などの人工的な生産に成功している。

話題のポイント:日本では馴染みのない代替食品市場の話題です。実はこの市場、海外では急成長しておりまして、英ガーディアンの記事によれば、2017年の代替食品市場の成長率はヨーロッパで27%、米国で35%あるそうです。試算としての市場規模は2027年に数十億ドルを突破する見込みということで今回ご紹介するMeatableもその中で戦うスタートアップの1社になります。

同社はオランダ拠点、2018年設立の新興企業。美味しくかつ罪悪感が起きない人工肉を100%肉と同じ状態で作り上げてくれるそうで、その手法をインフォグラフィックスとしてサイト上に公開しています。牛肉の生産には通常18カ月から3年かかるところ、同社のシングル細胞から生み出す人工肉は3週間以内に生産を完了します。

meatable.png

代替食品肉はベースとなる製造方法で大きく2つに分けることができます。彼らのように細胞ベースで作り上げる「cell based meats」と植物ベースの「plant based」です。CrunchBaseにはこのような企業が登録されていました。

cell based meats

  • Memphis Meats(2015年設立 / サンフランシスコ拠点 / 累計調達額$20.1M)
  • MosaMeat(2013年設立 / オランダ拠点 / 累計調達額€7.5M)

plant based

  • Impossible Foods(2011年設立 / サンフランシスコ拠点 / 累計調達額$387.5M)
  • Beyond Meat(2009年設立 / 南カリフォルニア拠点 / 累計調達額$72M)

2017年11月のCBInsightsのレポートによると肉(リアルミート)そのものの市場はグローバルで900億ドルあり、大手7社がその内の710億ドルを占めているそうです。

また代替食品市場は上記以外にも、人口卵、ビーガンマヨネーズ、代替海産食品、エンドウタンパクミルク、非乳製品チーズ、昆虫など多種多様です。少し古いですが2016年にCBInsightsが代替食品市場のランドスケープを出してまして、すでにこの時点で相当混雑している様子が伺えます。

人工肉は元々ヨーロッパで数十年前から販売されていたもので、ビーガンやベジタリアンに愛されていました。人工肉ではありませんが「これだけ食べていればいい」がコンセプトの完全食Soylentはフィットネス界で「ミールリプレイスメント」と呼ばれており話題になったのも記憶に新しいです。

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