医薬品のAmazon目指す「9lione(クリオネ)」が最優秀を獲得ーー17期を迎えた「Open Network Lab」DemoDayに6社が登壇【追記あり】

by Takeshi Hirano Takeshi Hirano on 2018.10.9

デジタルガレージは10月8日、アクセラレーションプログラム「Open Network Lab」のDemoDayを開催した。17期を迎えた同プログラムはこれまでに97社を支援し、約6割の企業が資金調達に成功している。今期は90社から応募があり、傾向として女性起業家の参加や医療・訪日サービスが目立ったそうだ。18期の募集も今日開始されている。

7月から3カ月に渡り、メンタリングなどの支援を受けた6社が壇上で成果を発表し、審査の結果、医薬品の管理プラットフォーム「9lione(クリオネ)」がベストチームおよびオーディエンス賞、メンタル改善のサポートアプリ「KibunLog」が特別賞を獲得することとなった。(各社のピッチ内容追記しました)

ベストチーム&オーディエンス:医薬品の管理プラットフォーム9lione(クリオネ)

医療機関で利用される医薬品には一定数、誤発注などで廃棄される残薬があり問題となっている。全体で廃棄される残薬は7700億円(薬剤費の10%で試算)もあるそうで、医療機関あたり年間で500万円も発生するロスは、個人経営の病院では営業利益に匹敵するという。

課題の原因はシンプルで、情報管理がいまだに手書きやエクセルなどの汎用ツールによるところが大きい。ここに着目したのが「9lione(クリオネ)」になる。

医薬品管理を効率化してくれるSaaSモデルで、OCRで処方箋を読み取り1錠単位で管理ができる仕組みや、医薬品のバーコードにより消費期限を管理できる機能を備えた。消費データを元に発注量を管理して最適な発注提案をしてくれるため、ベータ版の導入後に75%のロス改善が見られた医療事業者もあった。

トラクションも上々で2週間の事前申し込みで91店舗が利用を希望したという。ビジネスモデルは月額課金で、薬局以外のすべての医療機関15万店舗が潜在顧客になる。さらに今後は在庫データを活用したAmazonのような売買プラットフォームになることも目指す。

特別賞:メンタル改善プラットフォーム「KibunLog」

世界で3億人、国内でも500万人もその症状に悩むのが「うつ」だ。薬で治すのが難しく、精神療法での「感情の記録」による治療方法が広く知られている一方、うつの症状を持つ患者が自分の状況を正確に把握して記録することは困難が伴うという。

キママニが提案する「KibunLog」はこの課題を解決するためのメンタル改善サポートアプリ。精神療法ワークをアプリ上で実施でき、感情を記録して分析することでコントロールしやすい状態にしてくれる。

アプリで的確に状況を記録できるインターフェースを用意し、記録した感情は分かりやすい気分による分類で分析ができるようになっている。また、当事者同士のコミュニティ機能などを備え、精神療法での改善をサポートする。ビジネスは疾患を改善させるコンテンツ販売やオンラインサロンなどのコミュニティ課金モデルを見込む。

Giftpackは遠隔地からギフトを届けることができるオンデマンドのギフトサービス。特にギフトを贈る際の体験に注目していて、例えば現地の配達人が歌いながらプレゼントしてくれたりといった「楽しい体験」も提供してくれる。

7万人ほどのインタビューで7割が配送や体験について不満を持っていたことから始まったサービスで、3時間以内にデリバリをしてくれる。手数料は2割から3割で17M(イチナナ)と提携したキャンペーンも実施するなど、ミレニアム世代が好む新しいギフティングプラットフォームを目指している。台湾とサンフランシスコを中心に5カ国でサービスを展開中。

介護施設に入居する要介護者の1日は大半が余暇になる。この時間の使い方のひとつとしてレクリエーションがあるのだが、そこの効率化に目をつけたのがエブリ・プラスが提供する「えぶりPLUS」だ。介護施設を利用する高齢者にとってレクリエーションの充実は満足度向上に必要で、施設側では1万から50万円の予算をかけている一方、業務優先度は低いので例えば認知症の要介護者にマジックを見せても理解してもらえないなどのミスマッチが起こる。

そこでエブリ・プラスでは企業などと提携し、施設でカラオケが歌えるレクリエーションパッケージを用意し、介護度や施設規模に応じてマッチングしている。結果、施設の業務時間は年間700時間以上を削減でき、実施回数も3500回に拡大しているという。

グローバルで3万件の醸造社が存在するクラフトビールのトレンドに着目したのが「Signature」。現在、日本でのクラフトビール市場は年間成長率20%と勢いがあるため世界から注目を集めているが海外進出に成功しているのは2%程度とハードルが高い。各国で酒販免許が必要だったり、免許を持ってる事業者が在庫リスクを嫌って扱ってくれないのが理由だ。さらに複数国に展開する場合、それぞれで交渉が必要になる。

この面倒な部分を効率化したマーケットプレースがSignatureになる。事前予約モデルで在庫リスクをなくし、また、酒販免許についても同社が一括で取得することでクリアした。結果、試験運用で7割の利用ユーザーがリピートしたという。将来的には取得したユーザーデータを元にしたD2Cモデルを検討している。

メディクションが提供するMEDICTIONは日本へ治療などの目的で訪れる「医療ツーリズム」患者の手続きをオンラインで解決するサービス。特に治療目的の訪日客43万人の内、7割を占める中国からの来日がターゲットになっている。

サービス上にカルテをアップすると翻訳して医療事業者とマッチングしてくれるほか、病院紹介や不足情報の聴取、検査結果のレポート作成までを提供してくれる。通常、このような治療では診断までは2カ月。治療には1カ月が必要になるが、例えばカルテ翻訳などの工程については3週間から2日に削減できるなどの効率化が図れる。

診断プランは日本での治療が必要かどうか確認してくれるもので15万円から利用が可能。今後はカルテデータを蓄積して富裕層に向けた治療サービスも提供する。

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