Petalが3,400万米ドルを調達、クレジットスコアを持たない人を対象にクレジットカードサービスをローンチ

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Petal

フィンテックスタートアップの Petal は、資金調達ラウンドで投資銀行の Jefferies と Silicon Valley Bank から3,400万米ドルを調達した。ニューヨークに拠点を置く同社は、これまでとは異なる形のクレジットカードを正式にローンチする。

簡単にまとめると、Petal が取り扱うクレジットカードでは申込者を審査するのに従来のクレジットスコアを採用していない。代わりに、「キャッシュフロー・アンダーライティング」と呼ばれるプロセスを使っている。同社によると、このプロセスではマシーンラーニングによってビッグデータをふるいにかけて、「各ユーザの完全なデジタル金融記録を分析する」という。この手法は、特に十分なクレジットスコアを構築できていない若いユーザにとって有効だ。

アプリ型のクレジットカード

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Petal アプリ

2015年に設立された Petal は、試験的なプログラムとして手数料無料のクレジットカードを昨年9月にローンチした。この時点ではクレジットカードはモバイルアプリの形を取っており、支出の管理や、自動支払いとリマインダーの設定などの機能を備えていた。Petal は利率に重点を置く代わりに、利用者に特定月の希望支払金額を設定してもらうことで、金利の計算を簡素化している。返済額は米ドルで表示されるようになっている。

信用枠が小さい人たちに向けたサービスを始めているスタートアップは Petal だけではない。今年はじめには Visa と MasterCard が支援する Dynamics という企業が、ミニディスプレイとモバイル接続を備えたクレジットカード「Wallet Card」を発表した。他にも、Tally がユーザのクレジットカードの借金完済を支援する自動化アプリを提供している。このアプリは1年前に iOS 向けにローンチされたが、数週間前には Android でも利用できるようになった。個人向けファイナンスボットの Digit も、クレジットカードの借金を減らすための自動化サービスをローンチしている

Petal は以前にも1,660万米ドルを調達しており、その大半である1,300万米ドルは今年はじめに Peter Thiel 氏の Valar Ventures がリードした投資によるものである。今回の3,400万米ドルの調達により、同社の製品を拡大するための十分な資金を得たことになる。

Petal の共同設立者兼 CEO の Jason Gross 氏は次のように話す。

クレジットスコアが全くないアメリカ人は何千万人もいます。さらに数百万の人々にはすべての金融記録がわかるような十分なクレジットヒストリーがないのです。このままでは、信用を構築しておかないと、初めての車の購入、スモールビジネスの立ち上げ、家の購入といった人生でもっとも大切な場面で困ったことになってしまいます。

Gross 氏によると、10万人以上の人がすでに Petal を利用するためのウェイティングリストに名を連ねているという。

今回の投資によってお待たせしている人たちに対応できるようになります。(Gross 氏)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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