インドネシアのスタートアップメディア「DailySocial」、eスポーツに特化したニュースプラットフォーム「Hybrid」をローンチ

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DailySocial_Hybrid_eSports_incubation

<情報開示> DailySocial は THE BRIDGE のメディアパートナーである。

e27 は DailySocial から新たなメディアとして「Hybrid」が誕生したと聞きつけ、同社の共同設立者 Rama Mamuaya 氏のもとを訪れた。

昨今の e スポーツ人気に応じて生み出された Hybrid は、消費者と業界関係者両方に向けた情報を提供する。

Mamuaya 氏はこのように語る。

これは社会とテクノロジーをつなぐというビジョンに沿って運営を続ける、という DailySocial で行ってきたことのようなものです。Hybrid では、ニュースを通じて、e スポーツのコミュニティとテクノロジーをつないでいきたいのです。

Mamuaya 氏は Hybrid の裏側でチームが経た思考過程を説明してくれた。

私たちは DailySocial で常に e スポーツを話題にしており e スポーツ業界に大きなブームがやってくることを待ち望んでいました。そして非常に自然な形で、チームのメンバーから e スポーツニュース専門のプラットフォームを作ろうという提案が上がりました。そこからはご存知の通りです。

Mamuaya 氏によれば DailySocial では、少しずつ湧き上がってくるブームに関してニュースで継続的に取り上げることにより e スポーツを大々的に支持していた。今やアジアで、最近ではインドネシアで e スポーツは一大ブームとなっているため、e スポーツ関連のあらゆる話題を扱う Hybrid のローンチは良いタイミングだったと考えられる。

ここ数週間の間、読者の反応を見るため Hybrid を試験運用していました。これまでに、1日当たりの訪問者数は500と、このプラットフォームのベータ版としては全く悪くない結果を残しています。

マネタイズは求めない

コンサルティングやリサーチの分野にも拡大したメディア事業というのは、良いビジネスになるだろう。特に、ビッグなアイデアや度胸さえあれば誰でもスタートアップや起業家になることが実行可能な選択肢になる国では。

これは DailySocial もよくわかっているはずである。常に記事になる事業提携や資金調達のニュースは存在するからだ。

しかし、Hybrid において、チームは少なくとも初めのうちは、メディアのマネタイズを念頭に置かないアプローチをとることに決めた。

Mamuaya 氏は次のように語る。

DailySocial で作り上げてきたものは、その各機能まで含め、すべて日々課題に立ち向かう中でチームのメンバーが思いついたアイデアのおかげで生まれたものです。チームは何が足りないのか、何を直し、改善すべきなのかを見極める、ということから常にスタートします。

Hybrid にとっても同じことです。すべてはチーム次第なんです。観察、学習したすべてを集結し、どう実行したらベストなのかブレインストーミングしました。概して私たちの目標は変わらず、インドネシアのデジタルエコシステムに貢献することなのです。

現在、同プラットフォームでは記事を作成するライターを3人雇っている。3人とも e スポーツに情熱を注ぐベテランのライターだという。

交渉は行いません。私たちはメディアを通じて積極的に報道し、業界を形作っているので、常に業界での経験のある人物に依頼します。ライターには外に出てコミュニティに入り込んでもらうので、e スポーツが好きな人物が必要なのです。

Hybrid のベータ版はローンチされているが、Mamuaya 氏によると期待以上になっているという。メディアはベータ版で継続し、進化を続ける。

読者がウェブサイトを具体的にどのように使い、サイト上でどのような行動をとるのかを見極め、対応していきます。まだわかっていませんが、この業界にどんな問題があるのかを見極めたいのです。一方で、私たちはただ楽しみたいのでこのメディアで収益を得るようなことはしません。

可能性の追加

前述の通り、メディア、コンサルティング、リサーチは現在の DailySocial が力を注ぐ3本柱だ。設立当初から、同社は、あらゆるメディアがそうするように、メディアならではの人脈とネットワークによってインドネシアのスタートアップ全体を形作ることに目を向けている。

Hybrid のほかにも、DailySocial は次なるプロジェクトへとさらなる一歩を踏み出している。

Mamuaya 氏は以下のように語る。

これはパイロットプロジェクトで、まだ明らかにはできません。国営銀行の BRI(インドネシア銀行)と連携し、インドネシアの5都市で、オフラインとオンラインでの活動を合わせて500社の中小企業のインキュベーションを行うつもりです。私たちの役割は BRI がこうした企業、とりわけ工芸、服飾、飲食に関わる企業に対してセミナー型のワークショップを行うのをサポートすることです。

Mamuaya 氏の説明によると、中小企業の成長を手助けするために、基本的なビジネススキルを身につけさせるようなワークショップを提供するつもりだという。

キャッシュフロー管理やより良いパッケージングなどの方法を教えるワークショップを予定しています。

Mamuaya 氏はこのパイロットプロジェクトが2年程前から計画中であること、そして何社かのクライアントに対し実際に運用したこともあると明らかにした。今年の初めに、その中の1社がサービスを試したが、DailySocial によればサービスは順調だったという。

現在はこのサービスをさらに多くの会社に導入してもらうための交渉の真っ只中です。この仕事は将来自動化させるつもりです。

このプロジェクトはインキュベーションの自動化で、DailySocial が企業や銀行のデジタル化やイノベーションの運営を促進していく役割を果たす。

同社は本質的に中小企業と、自社に足りない部分を埋め合わせてくれるスタートアップや事業を探している企業とをつなぐ仲介役だ。さらには中小企業にメンターも導入する予定。

私たちはこうした企業の社内における従業員のインキュベーションも提供します。社員が会社をより良くするアイデアを思いつくこともありますが、その実現には案内役が必要です。この案内役を務めるのが私たちなのです。

企業へのオプションについて、Mamuaya 氏はこう語った。

このプロジェクトが通常のインキュベーションやメンタープログラムとどう違うのか伺ったところ、Mamuaya 氏はユーザが自動化によって結果をより正確に測定できるようになると答えた。

データに基づいた、結果中心のサービスになるでしょう。

同氏はそうまとめた。

【via e27】 @E27co

【原文】

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