不動産VR内覧「ROOV」開発のスタイルポート、シリーズAのフォローオンなどで4.1億円を調達——みずほキャピタル、グリーベンチャーズらから

by Masaru IKEDA Masaru IKEDA on 2018.11.6

ROOV
Image credit: Style Port

不動産 VR 内覧サービス「ROOV」を開発するスタイルポートは6日、みずほキャピタルとグリーベンチャーズからの出資と、みずほ銀行、りそな銀行、日本政策金融公庫からの融資をあわせ、総額4.1億円を調達したと発表した。シリーズ A2 ラウンド。同社は今年2月に実施したシリーズ A ラウンドで、グリーベンチャーズなどから2.5億円を調達しており、出資と融資を合計した外部からの調達資金累計額は6.6億円に達した。

2017年10月に設立されたスタイルポートは、不動産業や不動産コンサルタント業を前身とし、現在は不動産 VR に特化する不動産テックスタートアップだ。既存の不動産 VR が360°カメラを使った実写によるものが多いのに対し、ROOV では図面を元にした高画質 3DCG での VR コンテンツを提供する。これにより、視点が固定されない上に、実際にはまだ完成していない物件や、中古物件でまだ入居者がいて内覧や撮影ができない場合にも、擬似的な内覧を可能にする。

ROOV で作成された VR コンテンツのサンプル
Image credit: Style Port

図面から 3DCG を制作する工程は非常に煩雑で全体で60工程ほどあるが、人工知能などを駆使することで作業を自動化し、1物件の 3DCG 制作につき、2017年12月時点で平均150時間かかっていた工程を、2019年12月時点で平均10時間にまで圧縮が可能としている。簡単に言えば、物件の平面図を入手できれば、半日後には潜在的入居者が VR でウォークスルーを体験できる計算だ。

スタイルポート代表取締役の間所暁彦(まどころ・あきひこ)氏は THE BRIDGE の取材に対し、一つの物件の CG を複数の部屋の内覧に活用できるマンションやコンドミニアムのデベロッパを中心に営業を強化していくと説明。今回の調達は、プロダクトマーケットフィット(PMF)のメドが立ち始めた中で、地固めをする上で重要なステップになるだろうと語ってくれた。

スタイルポートの皆さん。最前列右から5人目が、代表取締役の間所暁彦氏
Image credit: Style Port

インターネットの普及で旅行客も増えたように、不動産流通においても情報量をたくさん得た人の方が、現地内覧をしたいというモチベーションにつながりやすい傾向があることは確認されている。IT ツールの導入が進みにくいこの業界で、ROOV の採用により新規不動産・中古不動産の流通が活性化することが期待される。

不動産 VR のスタートアップとしては、3D カメラを使った VR 内覧ソリューションとして、アメリカの Matterport が有名。2010年創業の同社は、これまでに8回のラウンドを通じて合計6,600万米ドルを調達している。ROOV もまた Matterport をベンチマークしているものの、表示速度や転送データの容量などの点で、ROOV はすでに Matterport を上回っているという。日本国内にはこの分野で際立った競合は存在しておらず、スタイルポートはドミナントプレーヤーのポジションを狙って事業を加速するようだ。

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