「世界一のデザイン百貨店を目指す」ーー デザイン特化のアウトソーシングサービス「Zypsy」が総額48万ドルの資金調達を実施

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写真右:CEO/共同創業者 玉井和佐氏、写真左:UIエンジニア 橋本和宏氏

サンフランシスコを拠点とするアプリ・ウェブデザインサービス「Zypsy」が11月5日、シードラウンドにて総額48万ドルの資金調達を実施したことを発表した。引き受け先となったのはKlab Venture Partners、TLM、SRCグループ、Cyber Agent Ventures、Hitomediaの5社。また、個人投資家として、メルカリ共同創業者の富島寛氏、アイタンクジャパン創業者の丹羽健二氏、コネヒト代表取締役の大湯俊介氏らも参加している。

Zypsyは日本人起業家の玉井 和佐氏が2018年に立ち上げたスタートアップ。利用企業はモバイルアプリおよびウェブサイト制作案件を任せることができる。同社の強みは、世界中のフリーランスデザイナーのネットワークから「チーム」を瞬時に組成する点にある。クラウドソーシングとチーム運営の2つがサービスの軸となっている。

既存のアウトソーシングサービスとの違いは、顧客企業の要望をヒアリングした上でZypsy側がデザインチームのアウトプットの質をコントロール・担保する点にある。チーム組成、契約、マネジメント、支払いまでの一連のフローを、Zypsyのプラットフォーム上で完結できる一貫性が大きな特徴だ。

従来、フリーランスのデザイナーに案件を投げる際、自社担当者が直接デザイナーと連絡を取り合いながらアウトプットの進捗確認をする必要があった。求めるスキルに見合ったデザイナーを見つけるまでの時間コストもかかり、実際に雇ってみなければどのくらいの能力を持っているのかわからない不透明さもある。エージェンシーを通せば膨大は費用がかかり、資金の少ないスタートアップは利用できない。

そこでZypsyは自社で厳選したデザイナーを抱え、限られた資金と期日を守るためしっかりとプロジェクトマネージャーを付ける仕組みを構築。企業は比較的安価にデザイン案件をそのままZypsy側に任せることができる。今後の展望について玉井氏は次のように語る。

玉井氏 : 2019年10月までに40社への導入及び月間案件総額約40万ドル、100名のデザイナーネットワークの構築を目指しています。

ソフトウェア開発はビジネスにとって必要不可欠です。しかし、慢性的なIT人材不足による人件費の高騰で、質の高いデザインへのアクセスは難しいのが現状となっています。そこで大企業からスタートアップまで、必要な時に必要な規模の案件だけを、ボタン一つ手軽に形にできる「新たなデザイン体験」を提供したいと考えています。

デザイン案件のアウトソーシングをする際のアウトプットの高い品質管理、実装スピードの2つを強みとして最高のデザインを提供するのがZypsyのミッションだ。ビジョンとして「世界一のデザイン百貨店」を目指すという。

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