オフィス向け無人コンビニ「600」が1億円調達、公開約半年で累計2万商品を販売

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ニュースサマリ:無人コンビニを提供する「600(ろっぴゃく)」は1月29日、第三者割当増資の実施を公表した。引受先となったのは朝日メディラボベンチャーズ、SMBCベンチャーキャピタル、AGキャピタル、アプリコットベンチャーズおよび非公開の個人。調達した資金は総額で1億円。出資比率や払込日などの詳細は公開されていない。

オフィスを中心に冷蔵庫タイプの無人コンビニ「600」がサービスを開始したのが昨年6月。20名から50名ほどの中小企業やスタートアップ、1000名規模の大企業まで導入が進んでいる。設置契約数は50箇所に拡大しており、累計の商品販売数は2万個を突破した。

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累計の販売商品点数の伸び

設置されている商品はコンビニで販売されているお菓子や飲料から弁当や惣菜といった日配商品、八つ橋などの土産菓子なども並ぶ。これらの商品ラインナップについては「LINE@」や「Slack」を通じて利用ユーザーから直接コンシェルジュに要望を送ることもできる。

同社は今後、調達した資金を元に、物流網の強化を進め、2019年中に契約箇所を500箇所、累計商品販売個数を20万個にまで拡大させる計画。

話題のポイント:連続起業家、久保渓さんの600が順調に資金調達ラウンドを重ねたようです。600そのものについては以前のサービス発表時にこちらの記事で書かせてもらいました。

<参考記事>

ポイントはビジネスモデルです。もちろん、足元については契約箇所を増やし、商品販売数を伸ばすことで各種マージンが入ることになるのですが、この勝負はかなりの資本力を必要とします。例えばオフィス設置型のミニコンビニ自体はローソンなども展開しており、流通網で圧倒的なアドバンテージのある既存小売の存在感は相当なものです。

それよりも久保さんたち600が見ているのは「狭小エリアにおけるマーケティングデータ」の価値です。以前の記事にも書きましたが、例えば商品のテストマーケティングなどは可能性のあるアイデアになります。600の冷蔵庫にサンプリングされた競合する商品が並んでいて、どちらを消費者が取るのか。こういったデータが細かい「メッシュ状」のエリアで取得できれば、メーカーや小売にとっては地域限定などの商品開発でより細かい戦略の立案が可能になってきます。

今回調達した資金はそこまで大きくないので同社がどこでアクセルを踏むのか、そちらにも注目しています。

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