コーディネーターが3Dパースでインテリアを提案してくれる「KAREN(カレン)」が正式ローンチ

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あるユーザの現在の部屋(Before)と、KAREN が提案した 3D パース
Image credit: Ashbery

東京を拠点とするスタートアップ ASHBERY(アシュベリー)は16日、好みやライフスタイルに合わせて、3D パースでインテリアを提案してくれるコーディネートサービス「KAREN(カレン)」を正式ローンチした。

KAREN は部屋を模様替えしたいユーザが、インテリアの提案を依頼できるサービスだ。現在の自分の部屋の写真をアップロードし、さらに、KAREN 上で気に入ったインテリア写真を3つほど選ぶと、アキネイターの要領で KAREN がユーザの好みを分析し、その情報をもとにコーディネーターが家具を提案してくれる。

KAREN の強みは、家具のバリエーションとコーディネーターのクオリティだろう。運営元の ASHBERY は家具の卸業者複数社と提携しており、ユーザはコーディネーターから提案された家具を KAREN の EC サイトから購入することができる。模様替え用途である分、ユーザがまとめて家具を購入する傾向があるため、卸業者に仕切り値を下げてもらうことが可能になり、同じ家具でも市中より KAREN での方が安く購入できるのだという。

コーディネーターは、必ずしも KAREN で現在取扱のある家具のみを提案するわけではありません。現在は取扱がなくても、いい家具があれば、それらも積極的に取り扱うようにしてきます。小物やデザイナーズ・ブランドなどの一部商品は、他の EC サイトへアフィリエイトで飛ばしているケースもあります。(共同創業者で CEO の武藤諒俊氏)

また、インテリアを提案してくれるコーディネーターは、家具店の店長や店員経験者をはじめとして、KAREN 独自の基準で選抜している。インテリアコーディネーターの公的資格も存在するが、現場で消費者と応対の経験のある人の方がインテリアをよく知っているため、敢えて資格の有無は条件に考慮していないという。KAREN には自宅などでリモートワークする100名以上のコーディネイターが在籍しており、現在も継続的に募集している(性別などの条件は設けていないが、結果的に女性が多いらしい)。

Image credit: Ashbery

ASHBERY では昨年から KAREN のクローズドβ運用を行ってきた。その中で、20〜30代女性の、引越をはじめとするライフステージが切り替わるタイミングでの利用が圧倒的に多いことがわかったという。

30代前半の主婦の利用が多いですね。子供ができて、夫婦だけでの家具では生活に合わなくなったとか、モノが増えたので収納を増やしたいとか。また、産休に入ったところ、友人が家に訪ねてくることが多くなったので、インテリアをおしゃれにしたくなったとか。

それに、20〜30代の〝バリキャリ〟の女性も多いですね。彼女たちは平日は忙しいので、休日くらいはゆっくりしたいと思っている。お金には多少余裕があるのでプロに頼みたいとか、Pinterest などを見てインテリアのアイデアは増えるけど、実際にどうしていいかわからない人とかが多い。(武藤氏)

家具を購入するユーザ体験に関連して、他スタートアップとの連携はまだ動いてないとのことだが、例えば、不用品出荷・出品代行をする「トリクル」のようなサービスとの連携は考えられるかもしれない、とのことだった。「airRoom」や 「Alice.style」のようなレンタルのサービスと協業するのか、あるいは競合するのか、そのあたりのゆくえも興味深い。

アーキネイタの要領で質問に答えると、ユーザのインテリアの好みが分析される。
Image credit: Ashbery

KAREN はフリーミアムサービスで、LINE を通じてインテリア相談ができる「LINE相談プラン」は無料、コーディネーターから具体的な家具の提案と 3D パースがもらえる「スタンダードプラン」は1室あたり7,980円で提供される。ASHBERY はこれに加え、家具販売時の利益でマネタイズを図る。

ASHBERY は2018年7月、CEO の武藤諒俊氏と COO 兼 CTO の水谷正伸氏により共同創業。武藤氏はサンフランシスコの btrax でインターン後、リクルートホールディングスで UI/UX 担当の立場から3つの新規事業の立ち上げに参画。この経験から、自らサービスを立ち上げる衝動に駆られ、ASHBERY を設立し KAREN の開発に至ったという。水谷氏は、Fablic でエンジニアリングに従事し、同社の楽天による買収後、フリルからラクマへの移行に関わった人物だ。

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