中国の配車サービス大手Didi Chuxing(滴滴出行)、政府による規制強化の中でアプリを使った金融サービスを拡大

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Image credit: Didi(滴滴出行)

中国の配車サービス大手 Didi Chuxing(滴滴出行)は、一連の金融サービスをローンチし、政府が監視を強める中で事業ラインを多様化する努力を強調してきた。重症疾患の治療費用を補償する資金へのアクセスをはじめとして、これらのアプリ機能は中国全土のすべてのユーザが利用可能になった。このプログラムに参加すると、癌、白血病、身体の麻痺状態など命にかかわる病からの保護のために、ユーザは最大で50万人民元(約785万円)にアクセスすることができる。それ以外にも、ウェルスマネージメント、消費者信用、融資などが提供されている。

Didi が同プラットフォーム上ですべての人々に金融サービスを披露したのは、これが初めてだ。Didi は2017年12月、北京のオンライン決済企業を完全買収し免許を獲得、2018年初頭にフィンテック事業グループの立ち上げを発表した。Didi のスポークスパーソンは TechNode(動点科技)に対し、これらの金融サービス製品が主に、ギグエコノミー労働者とその家族に特化したものであることを明らかにした。香港市場に上場するオンライン専門保険会社 ZhongAn(衆安)が提供する医療保険サービスを、アプリユーザは月々およそ20人民元(約315円)で利用できる。

同社はまた、新エネルギー自動車(EV、ハイブリッド、水素エンジン自動車など)の購入、リース、売買などに向けた金融サービスを提供している。これらのサービスのβ版は以前、Didi のドライバと自動車オーナーのみが利用可能だった。昨年、女性客2人が殺害され多くの安全上の事故が発生したことを受け、中国最大の配車サービス会社は政府による継続的な精査の対象となった。規制の強化により、Didi は求められた承認基準を満たさない車とドライバを、プラットフォームから削除することを余儀なくされた。最近では、ルールを遵守しないドライバへの配車呼出を、徐々に少なくしていくことも発表した。

Didi は昨年12月、2018年の業績が不十分であったとして、従業員の年末ボーナスを50%削減し、役員は報酬を受け取っていない。同社は乗客の安全性向上に特化すべく体制を再編し、相乗りサービスの「Hitch サービス(順風車)」を無期限停止した。

【via Technode】 @technodechina

【原文】

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