中国の短編動画アプリ「Kuaishou(快手)」、ARアバター機能をローンチ

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「Kuaishou(快手)」のAR アバター機能「Kmoji」
Kuaishou(快手)

中国の短編動画の世界に、アニメマンガによるアバターが到来しつつある。Tencent(騰訊)が支援する短編動画アプリ「Kuaishou(快手)」は、AR アバター機能「Kmoji」をリリースした。新機能を使うと、肌の色合い、ヘアースタイル、目をカスタマイズしたり、あるいは、カメラで顔をスキャンしたりするだけで、ユーザは自分でアバターを作ることができる。アプリは顔の表情や頭の動きをトラッキングし、ユーザは歌ったり話したりしている様子を Kmoji を使って記録できる。

この機能は iPhone の Memoji にも似ているが、Kuaishou によれば、3D アバターの顔をマッピングする際に、Kmoji では 3D の奥行き検知技術ではなく 2D 技術を使っているのだという。あらゆる iOS や Android デバイスで利用可能で、GPU や CPU への依存が少ない分、低性能のスマートフォンでも実行可能ということだ。

Kuaishou はこの数ヶ月間にわたって、この技術を開発してきた。昨年7月、iOS 向けに「Animoji(アニメ絵文字)」の独自版をローンチしている。マンガアバターは、中国のインターネット界を席巻した。韓国のアプリ「ZEPETO(ゼペット)」が中国で人気を獲得した後、中国の自撮り拡張アプリ「Meitu(美図)」は、同様の機能を昨年12月にリリースした。

アバターカスタマイズツールの比較。左から: Kmoji、Memoji、ZEPETO
Image credit: TechNode, Apple App Store, and Google Play Store

ユーザは Meitu を使ってスナップ写真を撮影し、ソーシャルネットワークでシェアできる自身のマンガキャラクタを作ることができる。ZEPETO 開発元の SNOW は、昨年12月末までに ZEPETO の中国版をリリースする計画だ。

Kuaishou は、中国で最も人気のある短編動画アプリの一つだ。昨年10月には、250億米ドルのバリュエーションで資金調達の協議に入っていると報道された。11月には、Kuaishou 創業者で CEO の Su Hua(宿華)氏が、デイリーユーザが1億3,000万人に達したことを明らかにした。

中国のユーザ生成コンテンツ(UGC)市場はブームの状態にあるが、ユーザを維持しつつトラフィックを増やすことに課題が無いわけではない。ByteDance(字節跳動)が支援する 「Douyin(抖音、世界的には TikTok の名で知られる)」などのプレーヤーとの激しい競争に直面し、Kuaishou は下級都市(比較的人口の少ない中国内陸部など)に集中し、アプリ内機能の拡充を図ってきた。Kuaishou は昨年12月、アプリ内でビデオゲームを楽しむことができるミニゲーム機能をローンチしている。

【原文】

【via Technode】

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