デビット決済で企業の株が「ポイント」としてもらえる「Stock-Back」ーーミレニアル世代向け投資アプリStashが開始

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ピックアップInvesting app Stash raises $65M, launches banking and ‘stock-back’ rewards with Green Dot

ニュースサマリー:誰でも投資家になれるアプリ「Stash」が3月12日、シリーズEにて6500万ドルの資金調達を実施している。TechCrunchなどが伝えているもので、調達元は明かされていないが、Breyer Capitalなどが引き続きラウンドに参加していると見込まれている。また、同社は前ラウンドのシリーズDにて約3億5000万ドルのポストマネーバリュエーションの評価が報じられており、今回はそれを上回る評価額と想定されている。

同社は2015年に米国で創業したFintechスタートアップ。誰でも投資家になれるをコンセプトに少額投資の仕組みを提供しており、アプリを通じてAppleなどの株式を最低5ドルから投資できる。

今回の調達に伴い、同社はGreen Dot Bankを利用したモバイルベースの銀行口座の提供を開始することを発表している。また、それに伴ったサービスとして”Stock-Back”と呼ばれるリワードプログラムも開始する。ユーザーはStashのデビットカードを使って決済するたびに、購入した物品の企業の株式を少額ポイントとして手にすることができる。

話題のポイント:Stashは少額のコイン貯金みたいなノリで少額投資ができるアプリです。株式を購入する際、一般的な証券会社から購入すると単位や価格が大きく、また専門的な知識も必要なことから誰もが手を出せるものではありません。そのペインを解決しているのがStashです。

さらに彼らが新たに提供する「Stock-Back」、個人的にミレニアル世代の投資に対する興味のきっかけとして大きく役立っていくのではと期待が膨らみます。Stashのユーザーが銀行口座を開設して、発行されるデビットカードを使って決済するごとにポイントとして企業の株式が溜まっていく仕組みはなかなか斬新ではないでしょうか。

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以下はUSA TODAYが公開した(元ソースは2016 Fidelity Investments Millenial)、2016年度における米国ミレニアル世代の投資に対する興味の割合を示したものです。「Millenials dont’s view themselves as investors.(ミレニアル世代は自らを投資家と思っていない)」が説明しているように、実際に投資をしている割合は全体の9%と圧倒的低さを示していました。

Credit: USA TODAY

Stashの「Stock-Back」を利用すれば、例えばAmazonでショッピングをするとAmazonの株式が、Starbucksでコーヒーを注文するとStarbucksの株式が、自動的にStashのアカウントに入ってきます。

投資的に利益が出るに越したことはないですが、それ以上に「企業の株式を知らない間に手にすることができる」というきっかけが得られるフローには魅力を感じます。

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