スキルシェアサービス「Workship」運営のGIG(ギグ)、プレシリーズAラウンドでXTech Venturesなどから約2億円を調達

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左から:手嶋浩己氏(XTech Ventures ジェネラルパートナー)、岩上貴洋氏(GIG 代表取締役)
Image credit: GIG / XTech Ventures

フリーランス向けのスキルシェアサービス「Workship(ワークシップ)」を運営する GIG(ギグ)は18日、プレシリーズ A ラウンドで約2億円を調達したと発表した。XTech Ventures からのみの調達で、この金額には一部、金融機関からの借入が含まれる。

GIG(ギグ)は、Web プロダクション LIG 創業者で元代表の岩上貴洋氏が2017年に創業。2018年11月から、フリーランスと企業をつなぐスキルシェアサービス Workship を提供している。Workship はフリーランスと企業、フリーランスとプロジェクトをマッチングするこプラットフォームだ。

今年3月、みらいワークス(6563)が発表した「フリーランスマッチングサービス カオスマップ」を見ても明らかなように、このバーティカルはレッドオーシャン化しつつある。数あるサービスの中で、フリーランスやパラレルキャリアする人にとっては自由度が高く好条件な仕事が見つかりやすいところ、企業にとってはハイヤリングコストをかけずに柔軟に人材を確保しやすいところへと、双方のニーズが集中することになる。

Workship の特徴
Image credit: Gig

そんな中で GIG が注目したのは、日本全国にある約1,000軒あるとされるコワーキングスペースだ。コワーキングスペースこそ、フリーランスやパラレルキャリアする人たちの集まる場であり、岩上氏によれば、1軒あたり平均して約100〜300人がいる計算になるという。リクルーティング系のサイトでは集客コストが運営費用の多くを占めるが、GIG では Workship MAGAZINEWorkship SPACE といったメディアを使ってオーガニックなユーザ流入誘引に成功しており、顧客獲得単価(CPA)を下げられていることが強みの一つだ。

ただ、マッチングプラットフォーム単体では、仕事したい人と仕事を依頼したい企業にアクションを完全に委ねてしまうため、人材の流動性が限定的になってしまう可能性が残る。そこで、GIG では「W-AGENT」というエージェントがマッチングを支援するサービスも提供している。Workship と W-AGENT あわせて、プラットフォーム上に登録しているフリーランスやパラレルキャリアする人は約5,500人、仕事を発注すべく登録している企業は160社以上。これまでに1,000件ほどがマッチング(仕事したい人と、発注を検討する企業間で、メッセージのやりとりが始まると1マッチングとしてカウント)し、5%が受発注につながったという。

一方で、仕事を発注する側の企業を集めるのには、あまり大きな苦労はしていないようだ。

今のところは、スタートアップからの案件が多い。大企業の中にも使いたいと思ってくれている人は多いが、(フリーランスやパラレルキャリアする人に仕事を発注するための)コンプライアンスの整備が間に合っていないというのが現状。(岩上氏)

とはいえ、ハイヤリングコストを下げたいとか、そもそもいい人材が見つからないとか、大企業とて背に腹は変えられないので、彼らのガイドラインやコンプライアンスが社会情勢に順応して変化するのも時間の問題だろう。

Workship SPACE
Image credit: Gig

また、「仕事の紹介、人材の採用においては、多くのプラットフォームが生まれつつも、技術イノベーションはまだ見られておらず、いい仕事を紹介してもらえるか、いい人材を紹介してもらえるかは、結局エージェントの担当者の属人的スキルに大きく依存しているのが、長きにわたって変化していない現状」と岩上氏。試行錯誤を繰り返しながら、この分野のイノベーションに挑戦を続けたいとの野心を垣間見せた。

GIG の社員は約65名ほどおり、うち約15名が Workship の業務に従事している。GIG としてはデジタル系のコンサルティング業務で十分な収益を稼ぎ出しているが、Workship のグロースを加速すべく、マーケティング強化と体制づくりのために外部からの資金調達を決断したという。

Workship は仕事を発注する企業側にのみ料金が発生する。発注確定時にのみ料金が発生する完全成功報酬型で1件につき15万円。2019年8月末までのβ運用期間中は無料となる。

GIG では当面の目標として、Workship 上で、フリーランスやパラレルキャリアする人の2万人以上の確保を目指している。

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