空の道を走る「UberAir」がメルボルンでテスト飛行実施ーー「世界で最も住みたい街」が選ばれたワケ

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ピックアップUber Air picks Melbourne as its first international launch city

ニュースサマリー:Uberは11日、同社が主催するカンファレンスUber Elevateにて、空飛ぶタクシーとなる「UberAir」をお披露目した。米国以外では初となるオーストラリア・メルボルンにてテストフライトを実施する。

2016年にUberは分散型電気推進による、電動垂直離着陸機(eVTOL)を開発するElevateプログラムを立ち上げている。今回の発表はこの取り組みとその他の自律走行車の取り組みの一環で、これまでにピッツバーク、トロント、サンフランシスコに応用技術拠点を開設してきた。

Uberはボーイングとパートナシップを結んでおり、同社は今年1月に自動運転型航空機のプロトタイプテスト飛行に成功したことを発表している。同市におけるテスト飛行は2020年より、商業利用は2023年を目標にしている。

話題のポイント:UberAirのパイロット飛行地として、海外では初選出となったオーストラリアのメルボルン。メルボルンと聞くと、どちらかといえばカフェの聖地でそこまでテクノロジー感ある街という印象はあまりありません。その中で、今回なぜメルボルンが選出されることとなったのでしょうか。

オーストラリア、ニュージーランド、北アジアにおいてUberのリージョナルマネージャーを務めるSusan Anderson氏によれば、Uberがオーストラリア市場に参入した2012年より、同国におけるユーザー数は増加を続け、現在では約380万人がUberを日常的に利用しています。

また豪政府もライドシェアリングの重要性を認識しています。というのも現在、オーストラリアでは交通機関の整備に対し年間約165億ドルのコストがかかっており、2030年には約300億ドルまで膨れ上がるという試算もあるそうです。

特に近年、メルボルンは「世界で最も住みたい街」に選出されるなど人口増加を続ける街です。そのため交通渋滞は深刻な問題になりつつあります。

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Road Congestion in Australia

上図は、Australia Automobile Associationによって2018年に発表された「Road Congestion in Australia」に関する資料の一部になります。メルボルンにおける都市部と空港周辺の渋滞情報を表したもので、今の状況では道路を拡張しない限り改善は難しいと結論付けています。こういった直面した課題があるメルボルンという都市だからこそ、UberAirとシナジーがあったのでしょう。

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