なぜ英語使用不可のSNSが伸びる?ーーTwitterがインドのローカル言語特化SNS「ShareChat」に出資

SHARE:

Screen Shot 2019-08-21 at 1.45.59 PM

ピックアップTwitter leads $100M round in top Indian regional social media platform ShareChat

ニュースサマリー:15のインドローカル言語に特化したSNS「ShareChat」が、シリーズDラウンドにてTwitterやTrustBridge Partnersを含む8つのファンドから合計1億ドルを調達した。創業4年目となる同社の累計調達額は2億2400万ドル、企業評価額は6億5000万ドルに達した。昨年9月にシリーズCラウンドで1億ドルの調達を実施しており、凄まじい勢いと可能性を示している。

サービスの特徴は英語を排し、インドのローカル言語に特化している点。チャット機能はない点を除けばFacebookやTwitterを代表する既存SNSと仕様は変わらない。

本投資によりShareChatチームはTwitter経営陣へアクセスできるようになった。人々の会話やコミュニケーションを促すという利害関係を一致させたことで、今後何かしらのコラボレーションが生まれる可能性もある。

Screenshot 2019-08-16 at 8.38.44 AM
Source : Google Play

話題のポイント:ShareChatを同サービスたらしめているのは、準公用語でもある英語を完全に排しているという点です。この点が同サービスの発展にも大きく貢献しています。英語は広く浅く浸透しており様々なシーンで好まれて使われていますが、英語に長けていない人にとっては不便。

事実、インドには人口が13億人存在しますが政府統計によれば英語(インドでは準公用語)を話せるのは人口のわずか10%だといいます。馴染みのある特定ローカル言語の情報しか目に入らないSNSの方がストレスが少なく、かつ同様の価値観・文化を持った人に囲まれやすいため、使い心地が良いのだと考えられます。

一方、人口の約半数弱がローカル言語であり公用語のヒンディー語を話すことができます。その他にも憲法では22の指定言語が定められているほどローカル言語には多様性があります。

学校で習う英語と比較すれば、圧倒的に自身の母語であるローカル言語を好む人の割合が多いことが分かります。

FacebookやTiktokなど、インド国内で流行っているSNSの中にはヒンディー語や複数のローカル言語対応を行なっているものがあります。それでもなお、SharteChatがここまで伸びているのはやはり「英語がない」ということに起因する部分が大きいと考えられます。

Techcrunchのインタビューに対する同社CEOの回答によれば、ShareChatは毎月6000万人のユーザーがおり、平均的なユーザーに1日に22分利用されるとしています。また、現在はインド以外のバングラデシュ・ネパール・中東地域などにも利用範囲が拡大しており、その都度英語以外のローカル言語が追加されていく可能性があります。

BRIDGE Members

BRIDGEでは会員制度の「Members」を運営しています。登録いただくと会員限定の記事が毎月3本まで読めるほか、Discordの招待リンクをお送りしています。登録は無料で、有料会員の方は会員限定記事が全て読めるようになります(初回登録時1週間無料)。
  • 会員限定記事・毎月3本
  • コミュニティDiscord招待
無料メンバー登録