EC中心のメーカーやD2Cブランドが卸売できるリアル店舗を探せるSpaceEngine、約1億円をシード調達——Coral Capital、KVPらから

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左から:長野泰和氏(KVP 代表取締役社長 パートナー)、萩谷聡氏(KVP キャピタリスト)、岩田大輝氏(SpaceEngine COO)、野口寛士氏(SpaceEngine 代表取締役)、蘇鉄本惇氏(SpaceEngine 執行役員)、James Riney 氏(Coral Capial CEO)、吉澤美弥子氏(Coral Capital シニアアソシエイト)、澤山陽平氏(Coral Capital 創業パートナー)
Image credit: SpaceEngine

実店舗で商品を展開したいメーカーやブランド(サプライヤー)とリアル店舗をマッチングするプラットフォーム「SpaceEngine」を展開する SpaceEngine は3日、シードラウンドで約1億円を調達したことを明らかにした。このラウンドに参加したのは、Coral Capital、KVP(KLab Venture Partners)など。同社にとっては、シナジーマーケティングの創業者らから4,200万円を資金調達に続くものとなる。

SpaceEngine は2019年5月にローンチ。EC サイト販売中心の商品メーカー、D2C ブランドなどがリアル店舗での販路を拡大できるプラットフォームだ。店舗は、インターネット上で人気を集める商品を簡単に探し、仕入れ、店頭で販売することができる。委託販売からスタートできるため、店舗は仕入れリスクを最小限に抑えることができるのも特徴。販売実績に対し、店舗が売価の35%、SpaceEngine が15%、サプライヤーが50%をもらう。

B Dash Camp Fall 2019 in 福岡の Pitch Arena でピッチする SpaceEngine の野口寛士氏
Image credit: Masaru Ikeda

商品を置ける店舗の拡大にあたっては、スマレジと提携。一方、昨年10月には BASE と提携し、オンライン店舗のオフライン進出を促進。1月現在、サプライヤー数は3,600、販売可能店舗は800軒、登録商品数は64,000点に達した。リスクフリーであるため、映画館、空手教室をはじめ店舗のバリエーションは多岐にわたり、個人店のみならず、紀伊國屋、東急ハンズ、IDC 大塚家具、OS シネマ、メガネスーパーといったメジャーな小売店舗も SpaceEngine を利用して個性ある商品を取り扱う。

流通ではメーカーより小売が強い構図があるが、メーカーも小売の要求に疲弊してきていて、自分たち独自のマーケティングでプロダクトラインをつくろうとする動きがある。そうしたことから、化粧品メーカーや飲料メーカーが、消費者ニーズに合わせて新たな D2C ブランドを立ち上げるケースは増えている。こういった新ブランドは、既存ブランドとぶつけられないので販路も新たに開拓する必要があり、SpaceEngine には、そういったメーカーからも多く問い合わせをいただいている。(SpaceEngine 代表取締役 野口寛士氏)

B Dash Camp Fall 2019 in 福岡の Pitch Arena から
Image credit: Masaru Ikeda

SpaceEngine では今回調達した資金を使って、店舗側からサプライヤーにアプローチし、下代や買掛交渉ができるプラットフォームを構築する。委託販売ではない形で、多くの商品バリエーションを効率よく調達できることから、ファッションで言うセレクトショップのような、個性的な店作りを地域を問わずに実現することが可能になる。

SpaceEngine は、B Dash Camp Fall 2019 in 福岡の Pitch Arena で SPECIAL AWARD を受賞している。

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