貿易立国の日本に照準、ブロックチェーンでL/Cをデジタル化「Concuer」がTISらから資金調達

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Image credit: Contour

シンガポールに拠点を置くデジタル貿易金融ネットワーク「Contour」は、日本の TIS インテック・グループが同社に出資したと発表した。この取引の他の詳細は未公表だ。しかし、DealStreetAsia のレポートによると、Citi Ventures やバンコク銀行を含む複数の地域および世界の貿易銀行もこのシリーズ A エクステンションラウンドに参加し、その金額は490万米ドルとされている。

今回のラウンドは、日本の三井住友銀行、台湾の CTBC(中国信託商業銀行)、イギリスの HSBC(香港上海銀行)、バンコク銀行、フランスの BNP パリバ、スウェーデンの SEB(スカンジナビア・エンスキルダ銀行)が参加した Contour の前回のシリーズ A ラウンド(1,341万米ドルを調達)に続くものだ。

12月13日に発表された声明の中で、Contour は、シリーズ A+(エクステンションラウンド)の資金調達は、25カ国の13の銀行をカバーするネットワークのさらなる採用をサポートすると述べている。また、シンガポールを拠点とするイノベーション・ラボを拡大し、現在のデジタル化されたL/C(貿易信用状)サービス以外の貿易金融商品も提供する計画だ。

Contour は来年、社内の開発チームを倍増してこの拡大を支援するとともに、グローバルな人材プールを拡大する意向だ。

今回の投資により、貿易エコシステムにおける障壁を簡素化して取り除き、経済的、環境的、社会的に持続可能な産業とすることで、貿易金融の新しいグローバルスタンダードとなるという当社のビジョンの実現にますます近づいている。(Contour CEO の Carl Wegner 氏)

2020年に設立された Contour は、エンタープライズブロックチェーン技術を応用し、分散型デジタル貿易金融プラットフォームでバイヤー、サプライヤー、銀行を結びつけている。

L/C の取得は、重い事務処理、高い管理コスト、非効率性、資金調達の障壁などにより、時間がかかると思われがちだ。Contourの主な目的は、L/C プロセスの管理を簡素化し、デジタル化することだ。貿易取引に関わる紙ベースの書類を減らし、決済にかかる時間を大幅に短縮することができる。

日本は、商品、大型機器、自動車など、貿易金融商品に大きく依存するセクターの貿易量が多いため、Contour が足場を固めるために重要な市場の一つであると言われている。

【via e27】 @E27co

【原文】

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