本稿は独立系ベンチャーキャピタル、グローバル・ブレインが運営するサイト「GB Universe」に掲載された記事からの転載
今週の注目テックトレンド
GB Tech Trendでは、毎週、世界で話題になったテック・スタートアップへの投資事例を紹介します。
4月30日にドロップされた、世界的NFTコレクティブル「Bored Ape Yacht Club(BAYC)」が発表したメタバースプロジェクト「Otherside」。同プロジェクトは複数の人気NFTの世界をつなぐオープンワールドゲームで、NFT化されたキャラクターが交流するデジタル世界を作ろうというものです。Othersideが最終的にどの程度まで拡大するかは未知数ですが、着実に私たちの世界にNFTやメタバースの考えが広がっているのは間違いなさそうです。
一方、NFTにおいても一歩進んだ考え方を導入する必要があります。というのも、単なる投機対象としか見られていない一般感覚からのパーセプションチェンジを図る必要があるからです。その答えの1つを指し示すのが、今回紹介するNFTスタートアップ「Revise」です。
ReviseはNFTを外部のデータパラメーターと紐付け、関連性の高いトリガーに基づいた、インタラクティブNFTへとアップデートさせる技術を開発しています。たとえばYahoo!の天気予報のデータフィードに基づき、気温に連動した形でNFTキャラクターの服装を変えることもできます。開発者はRevise SDKを使用することで選択したデータフィードに基づくトリガーをセットアップできるのです。
Reviseは4月28日、AlphaWave Globalと8iがリードするシードラウンドで350万ドルを調達しています。本ラウンドでは他に、PolygonのSandeep Nailwal氏、DEFI PulseのScott Lewis氏、AngelListのUtsav Somani氏、Bharat Founders Fund、TreeboのRahul Chaudhary氏らが参加しています。
私たちの住む物理世界のイベントに反応する、インタラクティブNFTをスケーラブルに生み出す可能性を持つRevise。同社を筆頭とするNFTプログラミング・レイヤーサービスが普及した近い将来、たとえば冒頭で紹介したOthersideのような世界観も私たちの生活体験をトリガーにしたモノへと進化することでしょう。
今回350万ドルの調達を経たReviseの動きは未だ小さなニュースかもしれませんが、これからのメタバースとNFTの将来を予期するに足る、示唆に富んだ話題ではないでしょうか。
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