VR空間のマネタイズを支援する広告ネットワーク「VRize」、早くもβ版を公開

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VR空間での広告事業を展開するVRizeは8月4日、VR内動画広告ネットワーク「VRize Ad」のクローズドβを開始すると発表した。同社が提供する「VRize Ad」が提供するフォーマットは360°動画広告と体感150インチ以上の大画面動画広告、3DCG動画広告の3つ。秋の正式リリースを予定しており、今日からクローズドβに参加する企業を募集するとしている。

クローズドβに参加したい企業は同社の提供するSDKをゲーム等のアプリに組み込むことで広告配信が実施される。価格の設定はCPMベースで、初期は広告主側もまだ少ないことから純広告のような扱いになるかもしれない、ということだった。

さて、なかなかアグレッシブなスタートアップが登場してきた。

VR広告はVRコンテンツ、ゲームなどのマネタイズを支援するためのソリューション。いわゆるウェブ世界でのアドネットワークをVR世界に持ち込んだ考え方で、海外ではImmersvなどの事例が出つつある。国内ではコロプラが360°動画コンテンツ事業として「360Channel」などを立ち上げているが、純粋な国内のVR広告ネットワークとしては初ではないだろうか。

同社代表取締役の正田英之氏の説明では、体感150インチ以上の大画面広告についてはImmersvのクリエイティブ、3DCG動画広告についてはJauntのバドワイザー広告がそれに近いということだった。

Immersvは元アプリマネタイズのTapjoy創業者が立ち上げたVR向けのアドネットワークで、特にヘッドマウントディスプレイを装着した没入空間で映画やゲームなどの広告を視聴させるスタイルを提案している。

Jauntのバドワイザー広告はよりVR空間に最適化されたクリエイティブで、その場にいるような体験性が特徴と言われている。共にヘッドマウントディスプレイで視聴するとその良さがわかるはずだ。

VRや360°コンテンツの市場はこれから数年かけて立ち上がると予想されており、現在、Oculus RiftやHTC VIVE、ソニーのPlayStation VRなどの高機能ヘッドマウントディスプレイが出揃ったこともあって2016年は「VR元年」と表現する人も多い。

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一方で、このVR・ARランドスケープにもある通り、市場の立ち上がり期は専用ハードやオーサリングツールなど、業界を下支えするツール類がビジネスとして先行する。コンテンツやそのマネタイズ方面の広告ネットワークは感覚的にもう少し先と考えるのが一般的だ。

タイミング的に早いのではという質問について正田氏は、その点を理解した上で早期に参入し先行者としてこの分野を牽引することを選んだと答えてくれていた。

ちなみに正田氏は丁度2年前にInstagramからすぐに出品できるフリマアプリ「10sec」を立ち上げ、渡米して米国でのチャレンジを続けていた人物。ただ、米国での挑戦はそう簡単ではなく、次の資金調達を断念して帰国、同社を解散して今回の新しいチャレンジに臨んでいた。

改めて支援者を募り、今回は若手ベンチャーキャピタリストの木暮圭佑氏が運営するTLMやEast Ventures、複数の個人投資家から資金を得て再スタートしたということだった。

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