韓国の〝カンパニー・ビルダー〟Fast Track Asiaが、Wonder Holdingsなどから800万ドルを調達

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韓国の Fast Track Asia は5日、Wonder Holdings(원더홀딩스)とアメリカの Insight Venture Partners から80億ウォン(約8.6億円)を調達したと明らかにした。これは2012年12月に Atinum Investment(에이티넘 인베스트먼트)代表のイ・ミンジュ(이민주)氏、Carbon Eyed(카본아이드)代表のイ・ウンサン(이은상)氏、元 Nexon CCO のキム・サンボム(김상범)氏 など、IT 分野で成功した起業家から33億ウォン(約3.6億円)を調達して以来、2度目の資金調達となる。今回は Wonder Holdings がリードインベスターを務め、既存の投資家であったアメリカの VC である Insight Venture Partners が参加した。

Fast Track Asia は2012年はじめに設立された〝カンパニービルダー〟で、インターネットやモバイルを駆使し、ライフスタイルに関連したオフライン市場をオンラインに転換するサービスにフォーカスし、創業者と共にスタートアップを一から構築するスタートアップの持株会社だ。現在は、教育の Fast Campus(패스트캠퍼스)、物流の Fly & Company(플라이앤컴퍼니)、食品の Hello Nature(헬로네이처)、ファッションの Stripes(스트라입스)という4つのスタートアップを構築中で、単なる資金注入だけでなく、スタートアップの経営陣と共にビジネスを成長させるパートナーを目指している。

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特に Fast Track Asia が韓国で初めて紹介した〝カンパニービルダー〟のビジネスモデルは、ドイツの Rocket Internet、アメリカの Betaworks(ニューヨーク)、Science(サンタモニカ)、Accretive(ニューヨーク)などが、それぞれの国の専門分野で、複数の会社を作り出すスタートアップ・スタジオとして運営されているのが特徴的だ。なかでも Rocket Internet はドイツ証券取引所に上場し、Accretive は10年間で73億ドルにも達する企業価値を生み出した。

今回の投資をリードした Wonder Holdings は、オンラインゲーム「ダンジョン・アンド・ファイター(던전앤파이터、日本語名はアラド戦記)」の開発会社ネオプル(네오플)を創業したホ・ミン(허민)氏が会社を Nexon に売却して作った持株会社で、ホ氏は現在、ソーシャルコマースのウィメプ(위메프、We Make Price の略)、オンラインゲーム・デベロッパの Astorm(에이스톰)など10以上のスタートアップに投資しており、韓国初の独立系プロ野球チーム「高陽ワンダース(고양 원더스)」のオーナーを務めている。

Fast Track Asia の代表を務めるパク・ジウン(박지웅)氏は次のようにコメントしている。

Wonder Holdings は、長期的な視点で呼吸を共にできる最高のパートナーだ。今回の調達を通じて、毎年新しい会社を積極的に作り出し、現在構築中の企業のアジア進出をリードし、アジアのインターネットやモバイル分野の Berkshire Hathaway(編注:Warren Buffett が CEO を務める、世界最大の投資持株会社)になりたい。

Wonder Holdings の代表を務めるホ・ミン氏は、次のようにコメントしている。

今回の投資は、Fast Track Asia と共に歩いていく長い旅の始まりに過ぎない。ネオプルやウィメプなどでの成功や失敗経験を共有し、最高のカンパニー・ビルダーとなれるよう積極的に支援したい。

【原文】

【via BeSuccess】 @beSUCCESSdotcom

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