月間流通額は10億円、350万DLも達成ーー急成長メルカリの公開1年を振り返る

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「スタートアップ」という生き物にはこのスピード感が必要だ。

フリマアプリのメルカリが公開1年を迎えた。同社ではこれに合わせてダウンロード数が350万件を突破、月間の流通総額が10億円に到達していることも合わせて公開している。

マイルストーンとしてここ数カ月は定期的にダウンロード数を公開しており、3月末時点で150万件、CMを開始した5月8日時点で200万件、その1カ月後には300万件と成長曲線の角度をどんどん変化させてきている。(下記グラフは過去のリリースおよび取材情報を元にTHE BRIDGEで作成)

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ここで少し、メルカリ代表取締役の山田進太郎氏の動きを振り返ってみよう。

彼がウノウをZyngaに売却したのが2010年8月でその約1年半後に退職を発表、世界一周の旅に出ている。彼が日本に戻って新会社「コウゾウ(現社名はメルカリ)」を立上げたのが2013年2月、つまり、シリアルアントレプレナーとして再始動したのがこの頃になる。私もそこからメルカリを追いかけ始めた。

<参考記事> 元ウノウ/Zynga Japanの山田進太郎氏が新プロジェクト「メルカリ」公開ーーゲームの次に彼が選んだのはなんと「フリマアプリ」

2013年7月2日、進太郎氏がメルカリを立上げた時、少なからず驚きがあった。当時から先行しているフリマアプリのFrilは結構なキラキラ女子系ユーザーが多く、その他の競合となる先行サービスもやはり女性がメイン、どうしても技術的なイメージの強かった彼がこのフィールドを選ぶという印象がなかったからだ。

しかし、それは私の単なる認識不足だとすぐに気づくことになる。

リリースした7月の後半にはiPhoneアプリを公開、同時にEast Venturesからの資金調達も発表。さらに数週間後の8月中旬にはユナイテッドとの資本業務提携、年末には元ミクシイの小泉文明氏の経営陣参加と立て続けに動きをみせる。

そして年明けの3月には記憶に新しい10億円超の大型資金調達を発表することになる。

<参考記事> 月間流通額が数億円規模になったフリマアプリの「メルカリ」、GB他から14.5億円を調達し米国展開を本格化へ

ここ数カ月のテレビCMなどのマーケティング戦略、DL数の拡大は冒頭に書いた通りだ。進太郎氏はこの1年を振り返り、本誌にこのようなコメントを寄せてくれた。

本当に猛烈な1年間で、1周年まであっという間でした。

サービスの成長もさることながら、ひとに恵まれよいチームを作れて、いろいろ失敗をしながらもリカバリーしながら、前向きに事業を進められたのが、すごくラッキーだったなと思っています。本当にメンバーには感謝です。

思うようにいかなかった部分はたくさんあってあげるとキリがないですが、最初の頃、カスタマーサポートが間に合っていなかったのがすごく反省しています。今はすごく力を入れていて、仙台オフィスの立ち上げなど含めてだいぶ改善していると思いますが、これだけたくさんの方に使っていただけてるのは感謝の言葉しかありません。

まとめると、感謝の一年、といった感じですね。

スタートアップという選択をした起業家は常にダイナミズムとスピードを求められる。彼の辿ったこの1年、そしてその準備に当てられた数年という時間の使い方は、後続のスタートアップたちにとっても大いに参考になるのではないだろうか。

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