スマホでスキャンした文字を翻訳するアプリ「Waygo」が日本語→英語にも対応、ユーザの3割はなぜか日本から

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開発中の Waygo 中国語→日本語翻訳機能を披露する、CEO Ryan Rogowski。
(2014年2月、HackOsaka)

Waygo は、スマートフォンのカメラで読み取った文字を、翻訳し対訳を表示してくれる、台湾生まれのモバイルアプリだ。漢字を読めない欧米人旅行者が、中国語圏を訪問したときにメニューや看板が読めない問題を解決するために作られた。

4月にアップデートされた Waygo の新しいバージョンでは、中国語→英語のみならず、日本語→英語の翻訳機能も追加された。Waygo のユーザ獲得について、最近の状況を Waygo の創業者兼CEOの Ryan Rogowski が共有してくれた。

翻訳累積件数が100万件を突破しました。ユーザの具体的な数は開示できませんが、興味深いことにユーザ全体の約3割が日本からのユーザです。英語話者だけでなく、英語を学ぼうとする人によく使われているようです。中国でも、英語学習者に広く使ってもらえるようにしたいと考えています。

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現在、Waygo は iOS版のみで利用可能だが、4月末ないし5月上旬をメドに Android 版のローンチを計画しているそうだ。さらに、「スケジュールは、今後の資金調達とそれによるエンジニアの採用状況による(Rogowski氏)」が、多言語多方向の翻訳についても機能追加していくことを明らかにした。

Waygo は当初、中国語や日本語を母国語としないユーザ向けに開発されたアプリだが、非英語話者が英語を学ぶために多く使われているのは興味深い。

どこで聞いたかは忘れたけれど、英語のボキャブラリを増やす訓練法の一つとして、電車に乗ったとき目にした中吊り広告の内容を、ひたすら頭の中で英語に訳してみる、というのがある(筆者も時々、実践している)。転じて考えれば、Waygo は英語学習者のニーズに合致しているのかもしれない。スマホを中吊り広告にかざす仕草は、まだ周りの人々の注目を集めるだろうが、Waygo は現在 Google Glass 対応のアプリも開発中なので、近い将来、そのような心配も一蹴されるだろう。

Waygo はスマホ上でスタンドアロンに動作するので、インターネット接続を必要としない。つまり、海外渡航中に利用しても、高価なデータ通信ローミング料が発生しないわけだ。単語辞書はアプリのアップデートの都度追加され、彼らのベータテスト・ユーザが翻訳パターンの追加や改善に協力している。

メニューや看板の翻訳を主な利用シーンとして想定している Waygo だが、この技術の応用範囲はそれだけに留まらないだろう。今後の動向に注目したい。

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