クラウドファンディングの原点に戻るーーCAMPFIREが手数料を5%に引下げ、代表は家入一真氏が復帰

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クラウドファンディングサービスCAMPFIREは2月24日、サイトをリニューアルし、プロジェクト掲載手数料を20%から5%に引き下げると発表した。システム利用料なども含まれているため、プロジェクトの起案者は集まった資金の95%を受け取ることができるようになる。

また3月上旬にはプロジェクトが目標金額に達成しなくても資金を受け取ることができる「All-In」の仕組みを採用することも伝えている。これは目標金額に達成しなければ資金を受け取ることができない「All-or-Nothing」の仕組みに加えてのもので、利用するには一定の条件を満たすことが必要となる。

また審査基準についても見直しが図られ、必要最低限の基準をクリアすることでプロジェクト掲載が可能になるという。

CAMPFIREは国内クラウドファンディング立ち上がり期にあたる2011年6月、家入一真氏が共同創業したサービスとして注目を集めた。リリースによれば、現在までに1,400件のプロジェクトが掲載され、資金集めの支援をしてきたという。

今回リリースには触れられていなかったが、これまで代表者であった共同創業者の石田光平氏は同社の代表取締役を退任し、代わって家入一真氏が就任している。

このことについて家入氏にコメントを求めたところ、もう一度クラウドファンディングとは何か、原点に立ち帰りたいとして「二人で立ち上げた会社だから、最後も二人で話し合って、それぞれの意思を尊重する形で、良い形で次につなげていきたかった」と回答してくれた。

その上で、彼の考えるクラウドファンディングのあり方について、今回の審査基準の見直し、手数料の引き下げ策などをふまえてこのようにコメントをくれた。

「CAMPFIREの代表に戻ることになり、今回改めてクラウドファンディングの本質とは何か、僕が実現したい世界は何か、ということを考えました。インターネットが浸透したからこそ出来ること。それは、かつての引きこもりだった僕のような人間が声を上げられるということ、そんな小さな声を拾い上げることができるということではないでしょうか。

大きな案件が話題になることも多いクラウドファンディングですが、僕はもっと小さな個人の活動を支援したい、そして一円でも多くそういった方々に渡したい、そう思い、手数料5%へと舵を切ることにしました。

クラウドファンディングという仕組みに惚れ込んでCAMPFIREを立ち上げてから5年が経ちますが、正直このままだとCAMPFIRE自体も、そしてクラウドファンディングという仕組みも浸透しないまま、縮小していくのではないかと個人的に危惧しています。

そのためにCAMPFIREとしてできることはなにかを考えたい。そのための第一弾が今回のリリースになります。

個人が活動をはじめるきっかけになりたい。背中を後押ししたい。そして、継続的に支援していける仕組みにしていきたい。そのための新機能開発も急ピッチで進めています」。

「5000万の大規模プロジェクトひとつより、5万円の個人プロジェクトを1000個立ち上げたい」ーー以前、家入氏は私にこんなことを話してくれていた。

彼がこれまで立ち上げてきたサービスは全て小さな力をインターネットでエンパワーするものだった。お小遣いで使えるサーバー、学費を援助できる仕組み、無料で始めらるコマース。そしてこのCAMPFIREもまた、小さな善意をインターネットの力でより大きなものにしてくれる、そんな彼のコンセプトが込められていた。

ここから先は彼の考えるインターネットが本当にみんなを幸せにしてくれるかどうか、結果で示してくれることを期待している。

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