マレーシア政府が正式にデジタル自由貿易区を発足、東南アジアを牽引するインターネット企業グループCatcha Groupがデジタルハブを開設へ

SHARE:
kuala_lumpur_internet_city
Wild Digital Conference in 2016 で登壇した、Catcha Group CEO の Patrick Grove氏(左)とマレーシア首相 ナジブ・ラザク氏.

マレーシアのナジブ・ラザク首相は、本日(3月22日)の Global Transformation Forum 2017で Digital Free Trade Zone(デジタル自由貿易区、DFTZ)を公式に発足させた。

DFTZ はナジブ首相の政治的取り組みで、このイベントで行われたスピーチによると、彼は DFTZ が「インターネットを基にしたイノベーションを活性化し、マレーシア経済の発展を促進する」ことを期待している。

DFTZ の主たる目標は、中小企業やスタートアップが(Alibaba=阿里巴巴が近い将来計画しているように)地域の発送センターを設けられる e コマースのハブになることだ。

首相はマレーシアが e コマースを取り入れる必要性について語った。The Star Online によると、これを促進するために政府は500マレーシアリンギット(112米ドル)を超える商品への関税を下げる方針だという。

スピーチでナジブ首相は次のように述べた。

この構想は、マレーシアの e コマース成長率を2020年までに10.8%から20.8%に倍増させるという、最近発足した National E-commerce Strategic Roadmap の一部です。

ナジブ首相は年末までに固定ブロードバンドのコストを半分に削減し、インターネットの速度を2倍にしたい、と述べた。

DFTZ の主な戦略的投資家は Alibaba(同社の Jack Ma=馬雲会長は Global Transformation Forum 2017で基調講演を行っている)、Malaysia Digital Economy Corporation、そして Catcha Group である。

クアラルンプール・インターネットシティー

Catcha Group は「戦略的パートナー」とともに、クアラルンプール・インターネットシティー(KLIC)と呼ばれるプロジェクトの主要開発者および主要投資家となる予定である。

KLIC は DFTZ の主要なデジタルハブになることが期待されており、クアラルンプールの主要開発地区 Bandar Malaysia に位置する予定である。15年間の目標は500万平方フィート(約46.5万平米)のデジタルハブを建設することで、総開発費は50億マレーシアリンギット(11億3,000万米ドル)が計画されている。

KLIC には最終的におよそ1,000の企業と2万5,000人の受け入れが期待されている。「東南アジアインターネット経済の中心地」となるべく、グローバル、リージョナル、そしてローカルのスタートアップの受け入れを目指す。

Catcha Group の共同設立者で CEO の Patrick Grove 氏は声明で次のように述べた。

活発なインターネット大企業や活気のある起業家、教育機関、インキュベータ、アクセラレータ、投資家、そして政府系機関が一つになれる場所を創ることに非常に興奮しています。

インターネットのキープレイヤーが共に近い距離にいながら DFTZ の支援を受けることで、マレーシアは ASEAN インターネットのエコシステムの中心地になるでしょう。

KLIC 開発計画の興味深い点は自立した都市環境を目標としているところで、ライフスタイルやウェルネス関連の設備を入れて地域をより活性化しようとしている。例えば、自転車専用道路やフィットネス・ヘルス施設、コミュニティイベントを開催できる大広場などだ。

とは言っても KLIC は本質的にはテック志向であり、業界の主要なプレイヤーを引き込んで徹底したサポートやネットワーク構築、情報共有を促進する手助けをしたいと考えている。

【via e27】 @e27co

【原文】

BRIDGE Members

BRIDGEでは会員制度の「Members」を運営しています。登録いただくと会員限定の記事が毎月3本まで読めるほか、Discordの招待リンクをお送りしています。登録は無料で、有料会員の方は会員限定記事が全て読めるようになります(初回登録時1週間無料)。
  • 会員限定記事・毎月3本
  • コミュニティDiscord招待
無料メンバー登録