中国最大手のソーシャルネットワークサービス「renren(人人網)」の新規株式公開(IPO)の初日が型破りなやり方で幕を下ろした。14ドルで始まった初日の株価は、最高値が21.78ドル、結局、終値は22%の上げ幅で18.01ドル。
renrenの新規株式公開自体は成功を収めたが、フェイスブックの1ユーザーあたりの収益と比べてどうなかという問題が残っている。フィナンシャル・タイムズ紙は、フェイスブックは1ユーザーあたり4ドルの収益があるが、人人網はそれに比べてたったの0.80ドルであると報じている。
これは、収益効率の大きすぎる違いであり、また、ここ数日間多くの指摘があったように、renrenは(結局)フェイスブックではないのである。
最新の(米国)証券取引委員会(SEC)へのIPO申請においてrenrenは、第1四半期前年同期比ベースで、オンライン広告収入が100.5%増、オンラインゲームに関しても11.3%の収益増加にもかかわらず、1,1百万ドルを失ったと報告。
損失については、人人網のCEOであるJoseph Chenがインタビューで以下のように説明している。
「この損失は、我社の最も大きな投資元であるソフトバンクの新株引受権の行使に関する金融費用・・・ようは我々は三年前、あまりに安く株式を売ってしまった・・・だから、それ故に私たちは多額の費用が・・・今後はそれらに関するすべてのコストはなくなるだろう・・・」
renrenのユーザー数は約1億1700万人であるが、月間アクティブユーザーは3100万人しかいない。これは、5億人のアクティブユーザーと、どの日でもその内半分がログインしているFacebookと比べると、それほど優れていない。私は、ユーザー統計値にあまり明るい未来をみることができないので、renrenのIPOについてはあまり興奮してない。
少なくとも私の意見では、renrenはソーシャル・ネットワークで必要なスティッキネス(常習性)やおしゃれなユーザーインターフェースが欠けている。私はこのサイトをずいぶん前に使うのをやめている。
ソーシャルネットワークサービスを成長させるのはコミュニティーの力強さだ。そして、renrenはFacebookのようにそれができるとは思えない。中国のミニブログ、Sina Weiboでさえもだ。ところが、誰ができるだろうか?私は、renrenのIPOで印象的だったできごとはせいぜい、NYSE(ニューヨーク証券取引所)に上場した初のソーシャルネットワークサービスであったことと、投機的な急騰であったと思う。あなたはどう考える?
BRIDGE Members
BRIDGEでは会員制度の「Members」を運営しています。登録いただくと会員限定の記事が毎月3本まで読めるほか、Discordの招待リンクをお送りしています。登録は無料で、有料会員の方は会員限定記事が全て読めるようになります(初回登録時1週間無料)。- 会員限定記事・毎月3本
- コミュニティDiscord招待