China Daily(中国日報)によると、国内には海外留学を経て起業する中国人学生をターゲットとしたスタートアップインキュベーターが150も存在するという。
なぜ留学生に特化するのだろうか?なんと、中国で成功を納めており、アメリカの市場にも名を連ねるようなIT企業のほとんどが、そのような海外留学経験者によって興された会社だというのだ。China Dailyの記事は以下の通り:
発表によれば、ナスダックに登録されている中国IT企業のうち80%が、海外留学経験のある中国人によって起業されているという事実がある。
さらに、国家的調査プロジェクトに関わる人材の72%、また同国の科学分野、ハイテク分野の最先端研究機関である中国科学院、中国行程院の研究員の半数が、海外で学んだ経験があるという。
しかしこの件には別の原因があるかもしれない。中国人留学生の海外経験について調べた華僑大学の報告によれば、1978年に中国が留学生の海外派遣を開始してから、帰国したのはそのうち3分の1に満たないというのだ。
その調査は1978年から2009年までの推移を追っていたが、近年の経済成長にもかかわらず、帰国者の数は依然として少ないようだ。中国では富裕層や、汚職にまみれた公人たちが国外へ出て行く傾向が見られることから、政府が留学生達に帰国のインセンティブを与えて、国益につながる起業を促進するのは当然のことといえよう。
富裕層の流出と、先進国で学ぶ海外留学生の帰国率の低さは、中国にとって心配の種であるが、しかしITのビジネスアイデアを持った学生達にとって、これらスタートアップインキュベータの存在は吉報である。もしあなたがいま留学中の若者ならば、知っておいてほしい。
中国政府はあなた方の帰りを待っていて、さらにもしあなたが斬新な起業のアイデアを持っているならば、そこには大きな儲けのチャンスがあるかもしれないということを。
[イメージソース]
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