スタートアップが失敗する一番の原因は「時期尚早な規模拡大」

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シリコンバレーにある3200社以上の企業を分析する「Startup Genome Compass」が3日前、リリースされた。その研究によれば、スタートアップが失敗する一番の原因は時期尚早な規模拡大だった。

研究結果からは、次のことが明らかになっている。

・ 規模拡大時期を早めたスタートアップ企業は、ユーザ数10万を超えられない。

・規模拡大時期を早めたスタートアップ企業のうち、93%は月間収入10万ドルの壁を越えられない。

・良いタイミングで規模を拡大したスタートアップ企業は、規模拡大を焦ったスタートアップ企業に比べ、20倍の速さで急成長する。

スタートアップは5つのディメンションで構成されている。そのディメンションとは:顧客製品チーム財務、そしてビジネスモデルだ。各ディメンションをどのように規模拡大するのが時期尚早なのかをみていこう。

顧客

時期尚早な顧客ディメンション規模拡大の姿:製品/市場のフィット(適合)が済まないうちに顧客獲得に過大投資する製品/市場のフィット(適合)がうまくいかず、それを過大に補おうとしてマーケティングや広報に過大投資。実績が上がらない顧客獲得チャネルに投資する。

統計データ:一貫性のないスタートアップ企業は、平均からの逸脱例より2.3倍もたくさん費やしている。

顧客ディメンションで時期尚早な規模拡大をしたスタートアップ企業例:Color、Webvan、Pets.com

製品

時期尚早な製品ディメンション拡大の姿:問題/ソリューションの適合検証が終わらないうちに製品を構築。製品/市場の適合が終わらないうちに製品規模拡大に投資し、「あれば素敵」なフィーチャー(機能)をたくさん追加しすぎる。

統計データ:一貫性のないスタートアップ企業は、発見段階で3.4倍、効率化段階で2.25倍も多くコードを書いている。そのようなスタートアップ企業は、一貫した企業に比べ、自社製品開発の外注量が4~5倍も多くなっている。

製品ディメンションで時期尚早な規模拡大をしたスタートアップ企業例:Cuil、Webvan、Joost、Google Wave、Slide、6Apart、その他、製品と市場の適合に失敗するか、「誰も欲しがらないものを作ってしまう」ほとんどのスタートアップ企業。

チーム

時期尚早なチームディメンションでの規模拡大の姿: 多くの人員を早すぎる段階で雇用する、専門家(CFO、カスタマー・サービス担当者、専門のネットワーク/システム管理者またはデータベース専門家など)がまだ必要ない段階で専門家を雇用する、管理階層を多層化する、実行者を雇うべきところでマネージャー(VP、製品マネージャーなど)を雇用する、上下関係を構築する。

統計データ:時期尚早な規模拡大をおこなうスタートアップ企業のチームサイズは、同段階の一貫したスタートアップ企業に比べ、3倍も大きい。

ただし、チーム規模の拡大をベストタイミングでおこなうスタートアップ企業は、そういった時期尚早のスタートアップ企業より、結局のところ、最初の規模拡大段階で38%大きくチームサイズを育て、ほぼ確実に成長を続ける。

チーム規模の拡大を適切な時期におこなうスタートアップ企業は、時期尚早なスタートアップ企業より76%長く規模拡大までの時間をとる。

資金調達のディメンションで時期尚早な規模拡大をしたスタートアップ企業例:Webvan、Pets.com、VOX.com

財務

時期尚早な資金調達ディメンション拡大の姿: 資金調達額が大きすぎる。そのため鍛錬の足りないスタートアップ企業を作り、他のディメンションにおいても早すぎる規模拡大をおこなってしまう可能性を拡大させ、出口の選択肢をなくしてしまう。

統計データ:規模拡大前で、一貫性がないのに資金はダブついていたスタートアップ企業は、平均すると一貫したスタートアップ企業の2倍も資産を持ち、約3倍も収益を上げている。

資金調達ディメンションで時期尚早な規模拡大をしたスタートアップ企業例:Cuil、Webvan、Color

ビジネスモデル

時期尚早なビジネスモデルディメンション規模拡大の姿:あまりに早い時期から利益の最大化に過剰集中、計画倒れになる、正規のフィードバックループを築かずにビジネスモデルを実行する、市場変化に合わせてビジネスモデルを変化させない、これと決めたビジネスモデルに集中できず、気が付くとコストを収入より小さく抑えられなくなっている。

統計データ:一貫性に欠けるスタートアップ企業は、早期から0.5ないし3倍も多くの顧客をマネタイズする。

ビジネスモデルディメンションで時期尚早な規模拡大をしたスタートアップ企業例:Myspace、6Apart、Lala