インドのスタートアップシーンが最悪な3つの理由

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【翻訳 by Conyac】 【原文】

インドが、いかにテック・スタートアップの起業によい場所であるか、多くのことが事情通によって書かれている。私はそれに同意すると同時に、 異なる意見を述べなければならない。インドは(主に低価格のガジェットや商品について)プロダクトを販売する会社を始めるには絶好の場所だが、技術革新を促進したり、大きなリスクを取ったりという点ではあまりホットな場所ではない。

私は座ったまま、「技術革新」とか「大きなリスク」という言葉について論じることもできよう。しかし、そんなことはしない。その代わり、Snapdeal や Flipkart のような、インドで今最もホットな企業のこと、新しいテクノロジーというより、ビジネスを革新している企業のことを話したいと思う。

なぜ、こんなことが起きるのだろう? 私はインドの起業シーンについて、3つの問題点を上げたい。我々起業家がインドで直面する大きな2つの問題は、メンターと資本家へのアクセスが難しい点であり、さらなるもうひとつはピーアールが貧弱な点だ。


1. 良質なメンターの不在

私は今まで、有名大企業を興した、真の起業家たちと会ってきた。しかし、彼らのいずれもインターネットの住人ではない。ウェブ業界でメンターのふりをする人々は、真のメンターではない。これは実話なのだが、非常に有名なメンター組織のメンターが「営業初日に金を稼ぐことのできないビジネスは、ビジネスではない。」と私に語った。Googleが彼の助言に従っていたらと考えると恐ろしい! 彼は図らずもアーリーステージのVC(ベンチャーキャピタル)でもあった。


2. 資本家の不在

もう一つの話として、よい資本家にコンタクトするのも大変である。ここインドのいわゆるVCは、あなたのビジネスの進捗や投資金額に関わらず、ただ35-40%のシェアを持って行ってしまう。私はかつて、VCの人物に、企業に投資をしたら、一体何をもたらしてくれるか聞いたところ、何も答えられなかったことがある。彼はこの質問に腹を立てていたようだ。私は全ての起業家が資金提供を受ける必要があるとはいわない。大変かもしれないが、自分で資金を用意できる企業もある。

しかし、VCは何もせずして利益を受け取る存在ではない。インドのVCは、最初のイグジットをくぐり抜けた経験が無いため、 過去数年で彼らの資金がどうなったか知ることは興味深い。一般的には、VCは起業家を非難するだろうし、その逆もあるだろう。


3.お粗末なピーアール

さらに、もうひとつの大きな問題は良いピーアールへ、アクセスできないことだ。いやむしろ、良いピーアールそのものが存在しない。ピーアールは偉大な企業を作るわけではないが、その助けにはなる。我々は誇大広告マシンが必要だ。確かに、それは悪い結果をもたらすこともある。しかし、誇大広告無しでは何も育たない。人々の興味を引きつけることや、FOMO(好機を逃すことへの恐れ)の効果で人々を集めることなども必要だ。私はそう考えていさそうなインドの会社を思いつかない。 ピーアールはこれらの効果を作り出す助けになる。ピーアール無しでは、プロダクトは本来の魅力を発揮できず、勢いを得ることのないまま放置される。

インドにすばらしいテクノロジー企業を作るには、抜本的な変化と革新が必要だ。状況が変われば、それをうまく活用するインド人起業家が出てくると確信している。そして我々は、すばらしいテクノロジー企業を築くことができるだろう。

写真出自:Business Today(インド)

【via Penn Olson 】 @pennolson

 


著者紹介:ヴィニート・ディヴァイヤー

ウィニートは、先月本誌がレビューしたアンドロイド用アプリ「the 360」を開発した、インドのスタートアップ TeliportMe 社の創業者兼CEOである。これは彼の初めての寄稿になる。本稿に続き、このテーマに関して、3本の寄稿が掲載される予定だ。 読者は、Twitterで彼をフォローすることができる

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