東京に拠点を置くスタートアップ・クオン社は、テキスト装飾や絵文字、イラストなどでコミュニケーションができる、スマホのメッセージアプリを開発した。その名前は LOUNGE だ。先月 iPhone アプリが公開され、Android アプリが今週前半に公開された。
他の日本の写真装飾アプリ(Decopic や Snapeee など)は、特にアジアで人気を博しており、クオン社も Lounge がアジアで広まることを期待している。クオン社の CEO 水野和寛氏にインタビューすることができた。
まずは、あなたの背景について教えてください。
8月にスタートアップ・クオンを立ち上げる前、私はテクノードというモバイル/ネットワークゲームの開発会社に勤めていました。テクノードでは、Touch the Numbers という数遊びゲームアプリの開発を指揮する立場にあり、このアプリは注目を集め世界中から300万ダウンロードされました。昨年7月にその職を辞め、自分のスタートアップを始めました。
どうしてLOUNGEを開発しようと思ったのですか?
iPhone にネイティブに搭載されているメーラーを使うと、デコメを受け取ることはできますが、送信することができないのです。もちろん、キャリアやサードパーティーが提供しているメーラーを使えば、その限りではありませんが。ユーザに豊富なテキスト表現を再び提供したいと考えたのです。それがアプリを作った理由のひとつです。
どのようにマネタイズしますか?
今のところ、これといったビジネスプランはありませんが、いくつかの可能性を見出しています。プロのデザイナーに描いてもらった、アーティスティック、あるいは、キュートな背景画をダウンロードできるようにして、ユーザに販売すること。二番目にユーザが連絡相手として企業を登録したとき、企業が自社商品やサービスの割引や無料進呈のクーポンを提供すること。この倍は、クオン社がクーポンが発行されるたび、企業からコミッションを受け取ることになります。三番目に、ユーザが交わしたメッセージが蓄積されることで、我々はどのユーザが何に一番興味があるかを把握できます。これはマーケティングビジネスを手がけたり、広告代理店が顧客ニーズを満足させる方法を見つける上で、よい方向に機能するのではないかと考えています。
LOUNGE はどのような技術を使っているのですか?
リアルタイムのコネクションレスの http プロトコルを使っており、「送信」ボタンを押さなくても、テキストやイラストを交換することができます。テキストやイラストを書き始めると、相手側にもタイムラグが無く共有されます。つまり両者がほぼ遅延無くコミュニケーションしたい内容をシェアできるわけです。このユーザエクスペリエンスを実現するために、ユーザから同時にリアルタイムのデータを受信できる高スペックの環境が必要となり、コストがかかってしまっています。
どのようにして LOUNGE を広めますか?
日本の大学のサークル活動などから始めてみようと考えています。大学の多くの人たちがアプリの開発を手伝ってくれ、それはとても楽しい経験でした。LOUNGE をマーケティングする上では、女性と仕事をしたいと思っています。彼女たちは、男性が思いも付かないようなアイデアをもたらしてくれるからです。
ネイバージャパンのアプリ「LINE」のダウンロード件数が先月1千万件を記録し、このことからもスマホ向けのチャットアプリが、アジアのテックコミュニティーで一大分野に育っていることがわかる。クオン社の LOUNGE は、チャットアプリとテキスト装飾の両方の機能を持っているので、大きなヒットにつながる可能性を秘めている。
クオン社の水野氏は、来月2月2日~3日に開催される「スタートアップ・アジア・シンガポール」に参加するとのことだ。彼に会い、スマホアプリ業界についての彼の洞察を尋ねるのに、よい機会となるのではないだろうか。
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