2011年はインドネシアにとって色々な意味でよい一年であったが、2012年、この国のスタートアップのエコシステムは全体としてどうなるのだろうか。新たに若い起業家やスタートアップが誕生するのだろうか。我々はインドネシアのスタートアップのエコシステムで鍵を握る人達に、経験から割り出した2012年に向けての予測と展望を聞いてみた。
Natali Ardianto (#StartupLokal の創始者でTiket.com のCOO ):
「インドネシア国内と海外からの投資がともに集まってきており、多くの海外スタートアップや実績のあるIT企業がインドネシアに事業基盤を構築している。2012年の変化はさらに加速化しており、競争という意味において熾烈を極めていると言わざるを得ない。
昨年、この国の新規インキュベーターは「2012年は支援してきた多くのスタートアップが世に出るため自分たちの真価が問われる。また、企業育成が上手くいっていることを示していくことになる」と言っていた。
新たなスタートアップがたくさん参入しており、事業のかなめとなる企業もあるが消えていく企業もある。これは産業界の宿命であり、生きるか死ぬかということに対する心構えが必要なのだ。」
Jakarta Founder InstituteおよびMobile Monday Indonesia創始者のAndy Zain氏:
「プレミアムSMS事業の閉鎖を受け、モバイル産業は急加速する発展に向けてさらに多くの機会を得ることになるだろう。我々は、数々のキャリアがスタートアップ企業に目をつけ、創作的なモバイルサービスとマネタイズの選択肢を増やしていくことを期待している。
同時に、現在モバイル付加価値サービス プラットフォームとして成長中の Android や MTK チップを基盤としたデバイスなど、さらに上質のデバイスの導入をもってその発展速度はさらに速まるだろう。より低いデータ通信料とさらに教育されたユーザーが、インドネシアにおける消費者市場基盤を提供していく。スタートアップ企業と新しいテック起業家たちにとって、これは非常に素晴らしいチャンスである。」
Ideosourceのパートナー、Andi S. Boediman氏:
「インドネシアには明るい未来があり、国内の消費需要の成長が見込まれる。コンテンツ、メディア、Eコマースに投資するには絶好の機会だ。マーケットシェアを拡大するためにも、すぐにEコマースへの投資を始めるべきである。だが必ずしも利益が得られるとは限らない。サプライチェーンやB2B取引も同様に投資を始めるべきなのだ。」
我々は、3つの異なるバックグラウンド(スタートアップ、モバイル、ベンチャーキャピタル)から見解を得た。これらは全て、2012年のインドネシアにとって有益なものだ。さらに多くのスタートアップが立ち上がることが見込まれるが、これは同時にさらに多くの企業が終焉を迎えることを意味すると、私は考える。モバイルコンテンツ・モバイルゲーム産業は、電話会社とキャリアがユーザにクレジット決済の選択肢を与えることでさらに伸びるだろう。インドネシアにおける Android、iOS そして Blackberry 間の激しい競争をうけ、スマートフォンの普及率もまた上昇するであろう。
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